【裁判員からの被告人質問】

裁判員(男性) 海渡くんが亡くなってから「暴力はいけない」と思ったと言っていましたが、その前は、冷静なときには「やりすぎ」との認識は?

健二 はい。ありました。

【裁判官からの被告人質問】

裁判官(右) 白いテーブルは食事用?

健二 はい

裁判官 事件当時は?

健二 6畳間の中央

裁判官 ふだんとテーブルの位置が違うようですが、他に違うのは?

健二 テーブルと座布団です

裁判官 痣ができるくらいの暴力を5回くらいしているということですが、痣ができないくらいの暴力はどのくらい?

健二 週に1度か、2週に一度。

裁判官 痣ができないくらいの暴力は同居のときから?

健二 すぐにはない。慣れてきてから。「いけないことはダメ」とビンタをするようになった。

裁判官 いまの時代は「しつけであっても、手を挙げてはいけない」ということになっているが、その認識は?

健二 分かっていませんでした。自分が暴力で育ってしまった。そういう考えをとらない。自分は叩かれて育ったから

裁判官 それはあなたにも辛いことでは?

健二 度合いを軽くすればよいと思った

裁判官 海渡くんは辛かったのでは?

健二 気がつかなかった

裁判官 自分が虐待されて育ったから、自分の子どもにはしないとは思わなかった?

健二 そうしなければ、治らないと思っていた

裁判官 小学校の先生に「暴力はやめるよう」に言われましたよね

健二 合っているとは思わなかった。言葉では分かってもらえないと思っていた

裁判官 09年10月以降もビンタをしているのはなぜ?

健二 分かっていないとイラだった

裁判官 「頭以外はいい」という話ではないですよね?

健二 頭はよけてようとした。いまから考えれば間違っていたと思います。自分の気持ちが強すぎた

裁判官(左)部屋で海渡くんがおしっこをもらしたことは?

健二 カーペットにもらしたことはない

裁判官 千草さんとは話題にならなかった?

健二 なかった

裁判官 09年10月中旬、海渡くんは、墨東病院で血腫の診断を受けている。なぜ?

健二 プロレスごっこをしていた。自分が海渡と同じ目線となり、しゃがんで相撲をとるかのような姿勢をとった。もちあげて、足が浮く状態になって、投げ飛ばした。頭からぶつけてしまった。海渡は受け身が取れなかった。

裁判官 カーペットの下は?

健二 畳です

裁判官 海渡くんはどんな様子だった?

健二 「おでこが痛い」と言っていた

裁判官 その日に病院へ?

健二 血が出ていなかったので、その日には行きませんでした。2~3日様子を見ていると、食事を吐いてしまっていた。そのために、病院へ行った。

裁判官 09年4月ごろから暴力が激しく?

健二 はい。

裁判官 そのころ、仕事は?

健二 電気工です。でも仕事はとぎれとぎれです。仕事が少なかった

裁判官 仕事がないとき、海渡くんといる時間が長くなる?

健二 はい

裁判官 9月頃は仕事は?

健二 忙しかったです

裁判官 事件当時の暴力の強さは?

健二 普段よりも強かった。普段、加減しているのですが。

裁判官 加減とは?

健二 本気で殴らないのが当然です。本気よりは力を落としていた。でも、ひどいことをしてしまった。

裁判官 以前、千草さんの弟が、「虐待があるときにはアパート全体がひびいていた」と証言しています。

健二 自分ではそう思っていなかった。

裁判官 相当の力だったのでは?

健二 そうだと思います

裁判官 暴力のとき、自分が分からなくなる?

健二 はい。父親にされたことをそのまましてしまった

裁判官 海渡くんが倒れたのを見た?

健二 頭をぶつけたのか?体をぶつけたのか?わからない

裁判官 どんな音がした?

健二 ドンという音。ゴツンという音かも。

裁判官 飼い猫が飛びついて来たのは、電話のどんな流れのとき?

健二 3回目か4回目の電話のとき。自分はそのとき、暴行をやめていた。

裁判官 電話が一区切りついたあと?

健二 太ももを蹴ったあと。その後、海渡は自分で起き上がって来た

裁判官 その後は?

健二 話をしました。「なんで叩かれないと分かってくれないんだ」と。10~15分くらい。その後、千草の母と海渡が電話をしている。

裁判官 3回目の電話?

健二 はい。4回目ではない

裁判官 海渡くんが倒れたとき、音は大きかった?

健二 大きかったと思います

裁判官 千草さんはどう言っていた?

健二 気づいていなかったと思います

裁判官 しつけが行き過ぎた?

健二 自分本位にしつけだと思っていました。しつけではなかったと思う。自分の感情を抑えきれなかった。

裁判官 孫の手を使ったり、木刀では叩いていましたね

健二 はい

裁判官 09年12月、孫の手が壊れてしまうと使えなくなり、木刀で殴っていましたね。

健二 はい

裁判官 ズボンとパンツを脱がして、四つん這いにならせて、お尻を叩いていた

健二 いまから考えると、しつけではない。感情を抑えられなかった

裁判官 海渡くんが答えられないとまた叩く。しつけではないですよね。それでもしつけだと思っている?

健二 声が小さいと暴力を振るっていました。「なんで分かってくれない」と。

裁判官(裁判長) 木刀の横で叩く。1月になって痣がありました。強い暴行があったということです。危ないのでは?

健二 自分ではそう思っていなかった

裁判官 海渡くんは7歳の子ども。なぜかなり強い暴力を?どうして?

健二 自分が未熟だった。そのため、分かってくれないと感情が抑えられなくなった

裁判官 どうして強い暴行ができる?

健二 情けなく思っている(涙声)。自分の感情を抑えられなかった

裁判官 逮捕後、時間はずいぶんあったはず。考えることはあったのでは?

健二 海渡には申し訳ないことをした

【再び弁護側の被告人質問】
弁護士 海渡くんの服装は?

健二 長ズボン

弁護士 色は?

健二 Gパンだったと思います

弁護士 おしっこをもらしたことは?

健二 確認していない

11:10 休憩

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