てっちゃんの生きづらさオンライン@Ameba-未設定

 出会い系サイト主婦売春 JPNews 09.07.17


 2008年12月以降、見知らぬ男女の出会いを提供する「出会い系サイト」への規制が強化されました。法令上、公安委員会に届ける義務が出来たこと、そして18歳未満かどうかの年齢確認がこれまで以上に厳しくなりました。これによって、「出会い系サイト」を巡る事情はどうなったのでしょうか?

 はっきりと変わった点がいくつかあります。まず、最大手の出会い系サイト「S」が閉鎖しました。この「S」というサイトは、地域別にエントリーして、自己紹介も数行でよかったのです。そのため、交際目的の出会いだけでなく、売買春(援助交際)を希望するユーザーも多くいました。「S」は、膨大なユーザーの年齢確認の手間を嫌ったのか、サイトを辞めてしまったのです。

 また、「出会い系サイト規制法」を逃れるため、「非出会い系サイト」へ変化を遂げたサイトもあります。ポータルサイトの「E」には「出会い」のコーナーがありました。しかし、規制法の強化のために、「出会い」そのものを目的としたやりとりを禁じました。そのため、「E」では、趣味や相談のコーナーがメインとなったのです。ただし、出会い系サイトとしての使い方もできます。

 さらに、運営業者のなかには、「家出サイト」や「家出SNS」を運営するようになったところもありました。「家出」は犯罪ではありませんし、宿泊先を提供したり、サポートする人を探すのは、「出会い」が目的ではありません。ただ、もともと「出会い系サイト」には、家出をしていたり、家出を考えている人もいました。そのため、出会い系サイトと家出の相性がよかったところに目をつけた、とも言えます。

 では、年齢認証システムがどうなっているのでしょう。自己申告なので、ごまかすことは可能です。免許証の写真を送って確認をするサイトもありますが、親や知り合いの名前と住所を隠して、メールを送ったとしても、生年月日と免許証の有効期限のみで、承認となってしまいます。

 その一方で、売春をしている主婦たちにとっては、女子中高生という「敵」がいなくなったのです。そのため、主婦を買春の対象としたいユーザーにとっては、規制強化はありがたいものになっているのです。

 先日、北海道文化放送の番組「佐藤のりゆきトークDE北海道」にゲスト出演してきました。特集のタイトルは「実録・出会い系サイト売春」でした。出会い系サイトを使って売春をしている主婦たちが取材に応じたのです。取材を担当したディレクターの話では、取材を拒否する女性はいなかった、ということです。「お金がほしい」という声の裏には、不景気も反映している面もありましたが、パートナーに女として見てもらえないという悲しみが見え隠れしていました。出会い系サイトでは、セックスが目的だったとしても、「女」として見られるのです。

 ただ、北海道の特殊事情にびっくりしたのですが、主婦たちの待ち合わせ場所がごく近所なのです。場合によっては徒歩3分の距離だったりします。「出会い系サイト」の出会いは、匿名性を重視するので、一般的には、知らない街で待ち合わせるのですが、北海道は違いました。

 番組に寄せられた声の中にも、「出会い系サイトで知り合った人と結婚した」というものもあります。もちろん、すべてがネガティブな出会いではありません。私も取材をしていて、親友と呼べる人に出会えた、という話も聞いています。しかし、最初の出会いは、ある程度、警戒するのが普通です。そのため、家の近所で待ち合わせをするなんて考えにくいのです。

 家の近所でもかまわないという発想は、本州と比較して、歴史が浅く、人間関係が濃くないのが、ひとつの理由として考えられます。それは離婚率の高さにも現れています。北海道は日本で一番、離婚が多い土地なのです。これは危険も伴います。もし相手が危険な存在だったら、ストーカーになったり、犯罪が起きかねません。現実に、北海道・蘭越で、殺人事件にまで発展しています。

 そうした事件の報道を耳にしている主婦も多いことでしょう。しかし、他人事のように聞こえてしまうのでしょう。私の取材でも、「出会い系サイトで知り合った人に、悪い人はいなかった」という話もよく話です。もちろん、それだからこそ、生き延びて来ているのでしょう。ただ、近所で待ち合わせるのは、無防備すぎると思います。