厚生労働省は、タミフル服用に関する注意事項を発表しました。
http://www.info.pmda.go.jp/happyou/PMDSI_070228.pdf
平成19年2月28日
厚 生 労 働 省
(照会先)
医薬食品局安全対策課
課長 伏見 環
担当 丈達 泰史(内線 )2748
( ) (代)TEL 03 5253-1111
健康局結核感染症課
インフルエンザ治療に携わる医療関係者の皆様へ
(インフルエンザ治療開始後の注意事項についてのお願い)
本日、別添のとおり、標記のお願いについて、各関係団体に周知を依
頼するとともに、製造販売業者に対し、医療関係者への情報提供を指示
しましたので、お知らせします。
平成19年2月28日
厚 生 労 働 省
インフルエンザ治療に携わる医療関係者の皆様へ
(インフルエンザ治療開始後の注意事項についてのお願い)
○ 今月に入り、抗インフルエンザウイルス薬リン酸オセルタミビル(販売名:タミ
フル)を服用したとみられる中学生が自宅で療養中、自宅マンションから転落死す
るという痛ましい事例が2例報道されております。これら2例については、現在、
情報収集を行っており、タミフルの使用との関係を含め専門家による十分な検討を
行うこととしております。
○ タミフルの使用と精神・神経症状の発現の関係については、別紙〔参考〕の2及
、 。び3に記載したように これまで専門家による検討や調査を行ってきたところです
それらを踏まえると、タミフルの使用と精神・神経症状に起因するとみられる死亡
との関係については否定的とされていることなどから、現段階でタミフルの安全性
に重大な懸念があるとは考えておりませんが、今シーズンは更に詳細な検討を行う
ための調査を実施しております。
○ 以上のような状況の下において、現在のところタミフルと死亡との関係について
は否定的とされておりますが、インフルエンザウイルスに感染した場合、別紙〔参
考〕の4のとおりタミフルの販売開始以前においても異常言動の発現が認められて
、 、 、おり また まれに脳炎・脳症を来すことがあるとの報告もなされていることから
以下の点について御配慮いただきたくお願いいたします。
万が一の事故を防止するための予防的な対応として、特に小児・未成年者
については、インフルエンザと診断され治療が開始された後は、タミフルの
処方の有無を問わず、異常行動発現のおそれがあることから、自宅において
療養を行う場合、
1 異常行動の発現のおそれについて説明すること
2 少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう
配慮すること
が適切であると考えられます。
このため、インフルエンザ治療に携わる医療関係者においては、患者・家
族に対し、その旨説明を行っていただきたい。
別紙
〔参考〕
「 」 、 、1 タミフルによる 精神・神経症状 については 因果関係は明確ではないものの
医薬関係者に注意喚起を図る観点から、平成16年5月、添付文書の「重大な副作
用」欄に「精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)が
あらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分
に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと 」と追記するとともに、医師、薬剤。
師等の医薬関係者への情報提供等を行うよう、製造販売業者(中外製薬株式会社)
に対し指示した。
2 異常行動によるものを含め、平成18年末までに、タミフルを服用した16歳以
下の小児16例(治験時の1例を含む )の死亡が報告されているが、薬事・食品。
衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会における議論や、小児科、呼吸器
科等の専門家からの意見聴取等によれば、これらについて、タミフルと死亡との関
係は否定的とされている。
《平成17年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調
査会(平成18年1月27日開催)参考資料4-4》
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/01/dl/s0127-9d04.pdf
3 また、平成17年度厚生労働科学研究「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状
況に関する調査研究 (主任研究者:横田俊平(横浜市立大学大学院医学研究科発」
生成育小児医療学教授 )の報告書によると、約2,800名の小児等を対象に、)
異常言動の発現について、タミフル未使用群とタミフル使用群を比較したところ、
統計学的に有意な差は見られなかったと報告されている(より詳細な検討を行うた
め、今シーズンも調査が実施されている 。。)
《厚生労働科学研究費補助金平成17年度分担研究報告書「インフルエンザに
伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究 》」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/dl/tp1020-2.pdf
4 さらに、タミフルの販売開始(平成13年2月)以前である平成11年1月から
3月までを調査期間として行われた厚生省(当時)によるインフルエンザの臨床経
過中に発生した脳炎・脳症の実態把握調査の報告によると、脳炎・脳症の状況及び
経過として、意識障害、痙攣、異常行動等の精神・神経症状に係る記載が認められ
る。
《平成11年6月25日付け「インフルエンザの臨床経過中に発生した脳炎・
脳症について 》」
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1106/h0625-2_11.html