NHKが全国の警察に対して取材したところ、2008年の一年間に、自殺した人は3万2000人余りで、11年連続で年間自殺者が3万人を超えることがわかりました。 

 http://www3.nhk.or.jp/knews/t10014327481000.html 

 また、硫化水素自殺は、昨年1~11月の間で1000人を超えていることが時事通信の調査で分かっています。

 
    硫化水素自殺1000人超す=1~11月、高水準続く-警察庁

     硫化水素による自殺者が今年1~11月に1007人となったことが11日、警察庁の調べで分かった。インターネット情報の影響などで今年に入って激増したが、既に1000人を超え、昨年1年間の29人の約35倍に上った。
     硫化水素の「原料」となる商品の一つが、自殺多発のあおりで10月末に製造中止となったが、発生方法を紹介するネット情報は依然多い。自殺は4月の204人をピークに減少傾向にあるものの、11月も53人で、1日平均1人以上の高水準が続いている。
     硫化水素自殺が増えたのは、市販商品を使って簡単に発生させる方法がネット上に多数紹介された影響とされる。救助に入った家族や救急隊員が巻き添えで死傷する二次被害も多発したため、警察庁は4月末、同ガス自殺を誘引するネットの書き込みを「有害情報」として取り扱い、業者やサイト管理者に削除を要請している。(2008/12/11-07:57)

 2006年に自殺対策基本法が成立しても、自殺者が減る傾向にありませんね。 

 基本法制定で自殺者が減ることはないとは思っていましたが、法制定の過程で「賛同者」になった私としては、複雑な気持ちです。ただ、賛同者になった理由は、この法律によって自殺者が減ることを期待したわけではありません。自殺に関してもっとも生のデータがある警察の情報をオープンにさせることを期待したのです。それはある意味で、かないました。 

 自殺者が減るには、社会の質を変えなければなりません。日本社会の質が、年間自殺者3万人を必要としていると、私はみています。それだけ生きづらい、息苦しい社会で、その負の部分を特定の人たちに押し付けているのだと思っているからです。だからこそ、法やシステムだけで自殺者が減るということはないだろうと。とはいっても、13年連続自殺率一位の秋田県などは、システムで救っている部分もありますが。 

 秋田魁新聞 社説:自殺者の減少傾向 不況の今こそ正念場だ 
 http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20090222az