タレントの飯島愛さんが亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。

 いまのところ、死因は特定できていません。毎日新聞の記事によると、「調べでは、飯島さんのマンションからは睡眠薬のハルシオンやかぜ薬が見つかったという。渋谷署は薬物の服用と死亡との関連を慎重に調べている。」とあります。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000017-maip-soci

 ハルシオンだけで自殺することは相当難しく、ハルシオンを飲むだけでは致死量に達することは可能性としてほとんどありません。仮に致死量のハルシオンがあったとしても、飲むことができないでしょう。ただ、それまでに飲んでいた薬や、お酒との関係があれば、またいろいろなことが考えられます。

 私が取材したり、話を聞いた中で、ハルシオンを飲んだだけで亡くなった人はいますが、それまでに飲んでいた向精神薬などとの関係があったのではないかと思われます。睡眠薬や向精神薬を飲んでいて、結果として亡くなることはあります。服用量や他の薬との関係、体力や気分の問題などが重なったりすると、意図しない死が待っていることがあります。それも個人差がありすぎるので、何とも言えません。

 ちなみに、人口動態統計で、30代後半(35~39)の女性の死亡原因の1位は悪性新生物です。2位が自殺、3位が心疾患となっています。

 15~19歳、20~24歳、25~29歳、30~34歳の死亡原因1位は自殺。2位は、15~19歳と20~24歳が不慮の事故。25~29歳と30~34歳は悪性新生物になっています。統計を見る限り、仮に自殺だとしても、不慮の事故だとしても、可能性が高い死ということなります。

 きょうは、参議院議員会館で、自殺対策の話し合いがありました。1998年から年間自殺者が3万人台を突破して10年。法律はできたものの、実効性のある自殺対策がなされたとは言えません。

 派遣きりなどで自殺対策も注目されていますが、経済不況による派遣切りがある前から、派遣労働者が増える中で、30代の自殺率は増加傾向で、07年は過去最高になっています。派遣労働の増加と30代の自殺者数の増加は、因果関係があるようにも思えます。

 一方、20代や10代の自殺率は、経済動向との直接的な関係が薄いように見えます。しかし、自殺まではいかないまでも、虐待の相談件数は増えています。虐待で悩んでいる被害者である子どもや、加害者である保護者も増えているということでしょう。虐待と貧困問題の因果関係も指摘されています。

 子どもの自殺それ自体が、経済動向とは無関係でも、自殺まで考えてしまう背景には、家族の貧困も指摘されています。保護者の経済的な問題での悩みが、結果として、子ども虐待を誘因する背景にあったりします。

 ちなみに、9月までの統計では、自殺者数は昨年よりも減っていました。ただし、20歳未満を除いては。まだ、経済不況になる以前は、20歳未満の自殺は、若干ですが、昨年よりも増えていました。

 年末年始で孤立する人たちも多くいるでしょう。そうした人たちが相談できる場所がひとつでも多くあることを願っています。

 自殺を考えたときなどは、公式サイトにお立ち寄りください。相談できる場所の情報や、掲示板、メール相談などがあります。

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