公安調査庁の調査官が、児童買春の容疑で逮捕された。容疑も認めている。

 こうした児童買春での逮捕報道は、珍しくはない。公務員が逮捕されることも少なくない。 最近では、海上自衛隊の1等海尉も逮捕されている。しかし、この報道はなぜか違和感がある。

 まず、第一に、「逮捕していたことが、21日分かった」と書かれている。通常、逮捕の報道は、「○○日、逮捕した」あるいは、「○○日、逮捕された」と、逮捕した日にちを記述している。しかし、この記事は、逮捕された日にちが分かった、と報道している。逮捕した日に警察が公式発表していないことを意味する。

 たしかに、逮捕当日に発表しないこともある。組織犯罪の場合は、「小物」を逮捕しても、「大物」が逃亡しないように、すぐには発表しないことがある。しかし、今回は、違っているのだろう。明らかに、警察が身内をかばったかのように見える。

 第2に、その「身内をかばった」のは逮捕した当日に発表しなかったわけではない。容疑者が匿名となっている。日本の事件報道は、原則、逮捕段階実名主義を取っている。例外として、少年の場合や精神障害のある成人の場合など、責任能力がないと判断される場合に限る。それは、「逮捕されたのが誰かわからないのは怖い社会」であり、実名報道することが権力チェックになる、という論理がある。なぜ、この逮捕報道は、匿名なのか。

 現状では、記者クラブが権力監視の機能を十分果たせていないことが明らかではないか。記者クラブが権力チェック機能があるというのなら、実名を発表することを要求することが必要なのではないか。

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公安調査庁の調査官 児童買春で逮捕、罰金

4月21日13時2分配信 産経新聞

 18歳未満の女性に現金を渡してわいせつな行為をしたとして、警視庁新宿署が児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、公安調査庁関東公安調査局の30代の男性調査官を逮捕していたことが、21日分かった。同署によると、男性調査官は「行為はした」と認めたが、「年齢の認識はなかった」と供述したという。調査官は略式起訴され、すでに罰金刑が確定している。

 同署によると、調査官は昨年11月、東京都新宿区歌舞伎町のレンタルルームで、携帯電話の出会い系サイトで知り合った無職の女性(16)に現金数万円を渡し、わいせつな行為をした疑いで逮捕された。

 公安調査庁は、「もし事実であれば誠に遺憾と考える。事実関係が明らかになれば、処分を検討したい」と話している。


最終更新:4月21日13時2分

産経新聞