たこ引き包丁・切付け型柳刃包丁・ふぐ引包丁 | 刃物に魅了されて ~刃物や三省堂ブログ~

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廣瀬 騎優(ひろせ きゆう)と申します。

当ブログでは刃物の魅力や店のイベントやお得な情報などを書いていきます。
刃物を通して驚きや体験を提供できるよう努めて参ります。

本日は、柳刃包丁と同じ仲間の包丁をいくつかご紹介したいと思います。

 

以前、柳刃包丁と使う用途は同じなのですが、それぞれさばく魚に特化した包丁となっております。

 

ちなみに、以前紹介した柳刃包丁、と今回ご紹介する包丁は全て和包丁に分類されています。

 

 

ではご紹介します。

 

・たこ引包丁

 

こちらは関東で刺身用包丁として使われていました「たこ引包丁」です。

 

以前は柳刃包丁が関西で使われていましたが、関東ではこの、たこ引き包丁が使われていました。

 

しかし、以前もご紹介したのですが、今は全国的に柳刃包丁が刺身用として使われているため、なりを潜めがちと思われますが、まだまだ健在です。

 

特徴としましては、切っ先が四角くなっており、刃が直線的になっています。

 

直線的な刃を活かして、流し物(寒天など)、柔らかくて大きなものを切る時にも使えます。

 

なので、たこなど大きくて滑りけのあるものなど切る時には、ちょうどいい包丁となっております。

 

 

・切付け型柳刃包丁

 

 

こちらも関東で使われ始めた「切付け型柳刃包丁」です。

 

特徴としましては、切っ先が斜めに切れています。

 

姿がよく、切っ先に幅があるため、安定感のある砥ぎができます。

 

ただし、全体的に重くなりやすいです。

 

私も以前、砥ぎ師のとこで包丁砥ぎをしたのですが、出刃包丁も柳刃包丁切っ先がアールを描いています。

 

ここのアールの部分を砥ぐのは本当に難しいです。

 

少しでもアールを崩してしまうように砥いだら、本来の使い方はできませんし、毎日使う本職の方ですと、しっくりこない上に、下手したら肩凝りの原因にもなりかねません。

 

その分切付け型柳刃包丁だと、比較的楽かもしてません。(これはこれで技術は要すると思いますが・・・)

 

 

・ふぐ引包丁

 

 

ふぐの身を切り分け、刺身にするのに使用するのが、こちらの「ふぐ引包丁」になります。

 

特徴としまして、ふぐは薄く切るため、柳刃よりさらに薄くできています。

 

また、刃線も柳刃より直線的に作られています。

 

パッと見た感じ、柳刃とふぐ引同じように見えます。

 

なのでこの2つを見比べてみましょう。

 

 

 

 

上:柳刃包丁  下:ふぐ引包丁

 

こう2つ並べてみると、確かにアゴの部分(刃先の一番柄側の所)と、マチ(柄の上の刃がついていない細くなっている所)が、ふぐ引の方が少し薄くなっています。(見にくい画像で申し訳ありません)

 

ふぐの刺身は、身を通して絵皿の絵が見えるのが醍醐味だったりします。

 

なので、本当に薄く切らないといけないです。

 

なので、このふぐ引包丁を使わないと、あのふぐの刺身は完成しないということですね。

 

 

本日は以上3点をご紹介しました。

 

このように、用途に応じた形の包丁は、まだまだあります。

 

たこ引包丁なんて、中々お目にかかることもないので、私自身こんな包丁があるんや!と、とても驚きました。

 

こういう普段見ない、驚きの形をしてて且つ、理に適った包丁との出会い。

 

これもまた、包丁の魅力の1つだと思います。