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人生には平等に必ず三度のチャンスが与えられている。
しかし、それに気づく者と気づかぬ者がいるのです。

日本人の腸はノリの消化に最適 National Geographicからです。

進化の過程で様々な力を身体に獲得していきているのですね。

オイラも海苔やわかめなどをよく食べます。一時期よりもわかめを食べる機会は減りましたけどね。

ヨウ素の過剰摂取と、原子力発電所による海藻の放射能汚染には注意したいものです。

<転載開始>
日本人の腸はノリの消化に最適

Charles Q. Choi
for National Geographic News
April 9, 2010

 最新の研究によると、はるか昔から海藻を食べる習慣を持つ日本人の腸内細菌から、ある海洋微生物の遺伝子が発見された。この遺伝子の性質を考えると、日本人の腸がノリ(海苔)の消化に適していることになるという。


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 ゾベリア・ガラクタニボランス(Zobellia galactanivorans)という海洋微生物は通常、アマノリ属の海藻を栄養源としている。寿司を始め日本料理で広く使われるノリもアマノリ属の一種である。

 研究チームは、この微生物がアマノリ属の海藻に豊富に含まれる炭水化物を分解する際に使う酵素を究明するために調査を進めていた。グリコシドヒドロラーゼと呼ばれるこの酵素の遺伝子の配列を突き止めたとき、思いがけない事実が浮かび上がった。この海洋微生物の遺伝子が日本人の腸に共生する細菌のものと一致したのだ。日本人の被験者13人と北米に住む被験者18人の腸内細菌の遺伝子を比較したところ、海洋微生物に由来する遺伝子は日本人の腸内からしか発見されなかった。

 海藻は、長い間日本人の食文化に欠かせないものとされてきた。8世紀の文献には、海藻を税として納めることが認められていたという記録も残っている。現在でも日本人は1人あたり毎日14.2グラムの海藻を食べているという。

 寿司のように海藻を使った料理を食べることを通して、長期間かつ習慣的に海洋微生物を摂取することで、腸内に数兆個が住むとされる細菌の一種が海藻を消化する遺伝子を取り入れることができたと研究チームは考えている。

 日本人の腸内細菌は海洋由来の酵素に恵まれたために、例えばアメリカ人の腸内細菌には抽出できない微量のエネルギーを海藻から抽出することができる可能性もある。しかし研究チームによれば、そのエネルギーは宿主である人間のためというよりは、細菌自身の栄養となっている可能性が高いようだ。

 今回の発見は、人間の腸内細菌に体外の細菌の遺伝子が取り込まれたことが初めて確認された例でもある。さらに、「私たち人間が周囲の生態系と予想よりも密接に関わっていること、そして細菌レベルにおいてさえも生物の多様性に大きく依存していることを示している」と、研究の共著者でカナダにあるビクトリア大学の糖鎖生物学者ヤン・ヘンドリク・ヘヘマン氏は話す。

 今後、現代の狩猟採集民族の腸内細菌、さらには人間の排泄物の化石についても調査すれば、地域固有の食物嗜好が長い年月をかけて腸内細菌にどのような変化をもたらしたか、そして人類の進化にどのように影響したかについての理解が進むだろうとヘヘマン氏は語っている。

 今回の腸内細菌の遺伝子に関する研究は、2010年4月8日発行の「Nature」誌に掲載されている。

Photograph by Natalie B. Fobes, National Geographic Stock
<転載終了>