今宵は
乱歩せんせいの
作品世界をさまよっております
どーも
ハミでやす
みなさま
ご機嫌よろしゅう
春霞
怪しく煙る
桜吹雪の向こう側から
大正期か
高等遊民らの
軽やかな
あるいは
淫靡な
笑い声が響いてくる
乱歩せんせいの物語には
大抵
これといった仕事を持たず
ただ親の遺産を
食いつぶして
趣味に傾倒し
金銭をつぎこむ
好事家が登場する
あっしは
さういう優雅な御方に
出会ったためしなし
である
眼鏡のレンズで
せんせいの本質が隠されてますわね おほほほほ
明智小五郎と小林少年
「押絵と旅する男」のイメージフォト
乱歩せんせいの蔵書
あっしは
横溝正史せんせいも夢野久作せんせいも
野村胡堂せんせいも
大好きなんであるが
まあ、せんせいがた、
戦時の統制下に
遠慮なく
ずいぶん、ぶっ飛んだ話を
お書きになって
やりすぎでしょ
怒られるの当然だわ、って
おもっちまうんですが、
横溝せんせいの師であられる
乱歩せんせいのぶっ飛びかたは
他の追随をゆるしませんでしたわね
それはもう
唐突にはじまるんですもの
狂気と倒錯と殺人が
せんせいのそういうところ
わたくし
好きですわ
刺激的で
この作品ご存じ?
これはね、「人間椅子」の挿絵ですの
乱歩せんせい
今宵は
わたくしにお付き合いください
あなたの
うちがわに渦巻く
蜃気楼のような
夜の夢をみせていただきたいの
花粉のせいか
仕事でPCばかりいじっているせいか
さいきん世界が霞んでいる
よく見えなくなってきた
けれど
とくにこの世のことなど
見えなくてもよいではないか
そんなふうにおもえてきた
夜のゆめこそ まこと