ご新造さんへ

おかみさんへ

お富さんへ

いやさお富、久しぶりだなぁ

 

 

 

どーも

ハミでやす

 

 

みなさま

ご機嫌よろしゅう

 

 

 

ってことで

あっしは

久しぶりに

白いカフェに

行ってみたんでやす

 

 

 

白いカフェとは

 

                     無人くん

 

 

あっしの住む町にある

すごぶる地味な

目立たぬことを

売りにしてる(店主ゴメン)

カフェなんでございますが

 

 

といいますのも

いつ行っても

無人で

客がおりませんで

 

 

閑古鳥が鳴いておりやす

 

 

 

 

店内は

潔いほどに

なにもなく

 

白壁

白いテーブル

白い椅子

だけ

 

という

 

やけに

落ち着かない

空間でありますが

 

あっしは

このカフェの

応援団長でありますゆえ

 

予定の詰まった週でも

一度くらいは

顔を出そうと

時間を捻出しとります

 

 

 

                ちょっくら邪魔するぜ

 

 

 

いやさ、店主

    久しぶりだなぁ

ここは歌舞伎の「お富与三郎」のふしまわしでお願いします

 

 

 

じつは

二週間ほど

ごぶさたしていました

 

店主はちょっと

痩せたようにみえた

夏バテだろうか

 

あっしは

さっそく

メニューを開く

 

新メニューが登場してた

 

 

 

「マヨコーンサンド」

 

 

 

つーか

あっしのほかに

誰ぞ

客おるんか!

 

 

マヨコーンサンドとブレンド

        ください

 

 

 

はい、お待ちください(声低い)

 

                        地味である   

 

 

 

 

レタスやトマトなんぞを

ちこっと添えるだけでも

華やかな皿になるだろうに

 

そのあたりには

考えが及ばないらしい

 

 

 でもね

マヨとコーンとチーズの

焼サンドウィッチは

なぜかカレー味で

たいへん

美味しゅうございました

 

しばらくは本を読んで

すごしました

 

その間も

だれも来店しませんでした

 

カウンターの奥から

低くラヂオの音がしました

 

 

あのサービスです。どうぞ…

 

 

 

きょうのさんびすはヨーグルトでやす

 

店主よ、ごちそうさま (´▽`)

 

 

 

二日後

応援団のあっしは

知り合い二人を連れて

白いカフェにいきました

 

 

客がいないことを

気に病んでいるのは店主ではなく

あっし?

 

 

店主は飄々と

カウンター奥で微笑んでおりやす

 

 

 

                    まだ飲んでないアイスコーヒー

                   え? 紙コップじゃないの

 

 

 

微妙な量だな、このアイスコーヒー

と、友人の一人が言った

 

 

許してやってくれ

地球由来の種子ではないかもしれんのよ

 

 

友人は

意味を測りかね

首をかしげている

 

 

ちなみに

この日のさんびすは

オレオだった

 

 

どうか

贔屓にしてやってくれ

 

渡世人らしく

あっしは

友人らに頼んだ

 

 

二人は

 

苦笑 (;^ω^)

どうぞ長い目で見てやってください🙇

 

 

 

 

しがねぇ恋の情けが仇…

        (中略)

死んだとおもったお富たぁ

お釈迦さまでも気がつくめぇ