どーも

ハミでやす

 

 

みなさま

ご機嫌よろしゅう

 

 

あっしは

月に2度は

市立図書館に通っています

 

 

図書館のことで

ちょいと

不本意におもったことが

ありんす

 

 

 

ええと

あれは

去年の11月ごろかいな

 

 

無性に

「眠狂四郎」が読みたくなり

 

図書館の棚をさがしたが

柴田錬三郎の本が

一冊もなかった

 

 

マジか

と、おもい

 

検索機を

使おうとしたら

その日は使えんかった

 

 

 

感染症のせいで

しばらく閉館されていて

ようやく

開館が許されたばかりだったから

 

 

 

検索機が使えないので

しかたなく

カウンターの人に

聞いてみた

 

柴田錬三郎の本はどこにあるの

 

 

見たところ30代くらいの

女性でしたが

 

 

どうやら

柴田錬三郎の名は知らぬようすだ

 

 

眠狂四郎が読みたいのよ

 

「は?」

 

眠狂四郎もご存じない

 

 

一所懸命に

パソコンで検索してくださり

結果、書棚にはないとのこと

 

 

「眠狂四郎」を置いてない図書館って

どないな図書館やねん

 

そりゃ古いかもしれんが

名作やで

 

柴田錬三郎の全集も

置いてないのかい

信じられんわ

 

 

おそまつな

新着本より

天才たちの全集を

揃えてほしいわ

 

 

あっしは

イラついて

片眉をあげて

ねえちゃんに言ったでやす

 

 

「閉架書庫にはあるんじゃないの」

 

 

カウンターのねえちゃんは

業務に不慣れだったんやろね

えらく戸惑っている

 

 

「えと、ちょっとお待ちください」

 

 

うしろで作業していた

オタクっぽい男性図書館員が

近づいてきた

 

やりとりを

聞いていたらしく

困っているねえちゃんを

助けるつもりだ

 

だが

ねえちゃんよりあきらかに若い

 

 

オイオイ若造

だいじょうぶか

 

 

若造は言った

 

「柴田錬三郎のなにをお探しでしょう」

 

 

「眠狂四郎無頼控 あるかい」

 

 

「ああ、眠狂四郎ね」

 

カシャカシャとカウンターで検索する

 

 

オイ若造、知ってるのか

眠狂四郎を

シバレンの眠狂四郎だぞ

眠りの小五郎じゃねえんだぞ!

 

 

「地下書庫にありますね。いまお持ちします」

 

 

 

 

若造は

 

いや失敬

 

若くて仕事のデキる図書館員は

 

ものの5分ほどで

 

眠狂四郎無頼控 上下巻を

 

抱えてやってきた

 

 

 

あっぱれよのう

見事な仕事をしよる

 

 

あっしは

頼もしい相方をみつけたように

うれしかったぞな

 

 

それから

数日は

眠狂四郎の世界観に

どっぷり

浸ったことは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さいきん朗読チャンネルやっとります

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