例えば、純粋になりたいのなら
ほんとうの純粋を宿したいのならば
不純を知らなければ、体験しないのならば
断じて手にできない心なのだ
人生には両面が用意されている
美しくありたいなんて容姿ばかりでイライラする
自己体験でしか獲得できない
なんて私は馬花だったのだろうか
稚拙な実行
後悔が、懺悔が、汚れた心が
もうこれ以上は、許して。
純粋な心を作っていくの


新しい自分が生まれた
3月19日には新月が夜空に生まれた
月の満ち欠けとほぼ同時だった
心身が浄化されたよう
生理の終わりかけには兆しを与えられたよう
三月のハツカには新しい月が私に宿った
4月2日に満月を迎えるお空の月よ、
それから私は排卵の時を迎える
満月の欠けた夜
あの女より、先に宿したならば
私の脳内こそ悪魔が芽吹きはじめた
おはよう
また八重歯が覗く
月が欠けるの夜
吸血鬼のようなあなた
                                               と
おわりかけの私



「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
二十分、先に家を出る
声を掛けられる側でありたいからだ
八時前後にデスクに座る
新聞に目を通してPCを立ち上げる
雑務を処理して、脇に追いやられた
喫煙室に入る
見慣れた顔と挨拶を交わし、チェアへ再び
小柄で姿勢の正しい彼女が颯爽とデスクへ
彼女の背筋が好きだ
美しくのびた、その
おはよう
容姿ばかりでイライラする
彼女はやはり美しかった