会社後輩の結婚式と披露宴に出るため、息子と一緒に東京へ。

「美味しい日本酒、用意しましたよ!」
とのことなので、クルマではなく、電車で東京の会場に向かいます。

久しぶりに袖を通した礼服は、実は十二年前の、やはり四月に開かれた結婚式に参加するために買ったもの。

参加したのは、私より先に結婚した弟夫婦の式と披露宴でした。

四月の空気感の中でこの同じ礼服を着たことで、あの時の記憶が甦ります。

当時の私は、既に妻と一緒に暮らしていましたが、妻の家族には話しておらず、実は挨拶すら済ませていませんでした。私の家族からのやんわりとした、しかし強固な反対があったためです。

父の反対を解くことがまだ叶わず、それにもかかわらず一緒に住むことはスタートさせていたあの頃。私は、弟夫婦から何か力を、エネルギーを、分けてもらおうと思って家を出たのでした。

見送る妻(当時は結婚前なので妻ではありませんでしたが)は、どんな気持ちで送り出していたのだろう。

息子は、礼服が嫌だ嫌だと言っていたのですが、実際に着てみると、気に入った様子。電車で東京に出るのは彼にとって最大の娯楽ですから、私の隣で、なにやら終始ウキウキしています。