親子での糸東流空手稽古も、早くも9回目が終わりました。

それなりに空手を好きになってくれた我が息子ですが、型(基本型第一)は、相変わらずグダグダです。

・下段払い→前蹴り→順突きの連続動作において、
①下段払いにキレがない
②前蹴りが蹴りになっていない (何故かただの歩み足運足になります)
③順突きに鋭さがない(へにゃっと拳を置きにいくだけ)
・後ろ足を軸にした180度回転が、移動稽古の「回って」号令の時の動作になってしまう(回転方向が逆)

本人は、ミット打ちが楽しくて稽古に通っているので、型が下手でも一切気にとめている風はありません(笑)。

親が指導すると子どもはやる気を失うことがままあります。そう思い放っておきましたが、さすがにそろそろ直さないと変な癖がつくかもしれないな・・・と思っていました。



そんな矢先、先日の稽古の最後に先生からこんな言葉が。

「本部道場との9月の合同稽古だが、私は全員連れていきたかった。しかし、 本部から『型がまだできない小さい子どもは今回参加は見送りに』と通達があった。残念だが、型の流れ、そして基本的な動作が身に付いていない小さい子は、今回は連れていけない。だから、みんな、心して稽古するように」

帰宅後、息子が「先生の話はどういう意味だったの?」と聞くので、少し噛み砕いて説明をしました。

型をちゃんと身に付けないと、今度の試合には連れていってもらえない。Kちゃん(幼稚園時代の友だち)は東京の試合に出るけど、お前はもしかしたら留守番かもしれない。と。

「それはいやだよ」と息子。
「でも、型ができないなら参加できないんだよ」
「できてるよ」
息子は強気です。

「できてない」と言うと、
「できてるよ」

そらなら見せてみろ、ということで、昨夜は寝る前に、にわかに家で型を披露してもろうことに。

しかし、本人はできているつもりですが、やはり、最初に書いたポイントがグダグダです。

カタチの違いを指摘しても直りそうになかったので、下段払い、前蹴り、順突きの3つをすべて“当て”させてみました。

膝立ちになった私が出す中段突きを下段払い、私の腹に前蹴り。そのまま追撃の順突きを私の胸に。
息子の前蹴りを私が手で払い、がら空きになった私の胸に息子の順突きが入るパターンもやってみました。

実際に当ててみての息子の第一声は、
「こういう意味だったんだ!」

どうやら息子も、
①相手の突きを払うには自分の下段払いはふにゃふにゃ過ぎた
②相手に当てて効かせるには自分の前蹴りは、蹴りになっていなかった
③相手に当てて効かせるには自分の順突きは、突きになっていなかった
と体感できたようでした。

この後で型をやらせると、技の力感が違ってきました。

「そういう意味ならこうする」
と言ってうった息子の型は、型としては、力み過ぎ、反動を使い過ぎなのですが、息子が相手をイメージし、そのイメージの相手を真剣に倒しに行っていることが伝わってく動きになりました。

型は、言わば達人の動き。
力まず、無駄な反動を使わず、押し込みをせず。重力を味方につけて、身体の構造を活用して得る、早くて速い、そして威力の乗った動作で構成された技の体系。

その意味では、息子が昨夜見せた動きは、力んで、反動を使って、押し込みまくる、とダメ身体操作の塊と言えます。
しかし、相手を想定して、彼なりに真剣に倒しに行く一連の動きは、親ながら、好感を持ちました。

最初からきれいな動きに合わせて行くよりも、最初はダイナミックに力を込めて、次第に型に合わせて洗練させていく、という稽古の進め方の方が息子には合っているような気がしました。



さてこの型で、息子は、9月の合同稽古会に連れていってもらえるか?

8月の稽古が鍵でしょうね。



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ちなみに、来週の稽古は、キャンプがあるのでお休みです(笑)。