息子の居ぬ間に、空手本とDVDを見まくっています(笑)。

でも、空手DVDを買うのは、本当に久しぶりです。

今日見たのは、これ↓。

沖縄空手道無想会新垣清最高師範 極める!ピンアン [DVD]/BABジャパン
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平安初段・二段の身体操作と分解を扱った、新垣先生のDVD。

見ごたえありました。

平安の手刀受けは、実は2種類。
一方は、フルコンタクト系で行われる『手刀回し受け』⇒用法は“投げ”。
もう一方は、本土伝統空手系で行われる『手刀受け』⇒用法は“打ち”。
しかし、異なる用法のための異なる動作の2種類の手刀受けが、本来は交互に繰り出される型だったはずが、現在は、型の持つ様式化の力によって、今では『手刀受け』のみ、あるいは『手刀回し受け』のみになってしまった・・・。

このあたりの説明はとても興味深くて、見ていて、ゾワゾワと鳥肌が立ちました。
フルコンタクト系の『手刀回し受け』が、大山倍達の創作ではなく、沖縄首里手にまで遡るものだとしたら、フルコン愛を持つものとしては、とても嬉しいですね。(手刀回し受けの投げは、危険すぎて相対稽古がしにくそうですが・・・)

そして、『手刀回し受け』の用法解説の中で語られる、猫足立ち誕生の謎に対する新垣先生の解も、面白い!

もう1つ興味深かったのが、山根流棒術の大城利弘先生との類似点と相違点。
平安二段(松濤館系・フルコンタクト系では初段、あるいはそのI)の右に振り返ってからの右手の受け→左追い突きの部分は、型が求める身体操作に関する解釈が、新垣先生と、山根流棒術の大城利弘先生の型DVD『沖縄空手の真髄 型を打つ』とで、まったく同じ。

・・・のはずなのですが、両先生が披露する体の動きは、かなり質が違います。

語弊を恐れず書けば、大城先生はビシバシッ!、新垣先生はヌルヌルッ!
同じ型、同じ動作を、同じ解釈(用法、身体操作ともに)で動いているのに、見た目の印象が全然違う。
面白いですね。



それにしても・・・
平安初段(松濤館系・フルコンタクト系では二段、あるいはそのII)の第一挙動を、
・後手:受け
・前手:打ち
という攻防一体の用法で分解し、解説するのは、もはや当たり前になってきていますね。

この時代を作ったのは、間違いなく『隠されていた空手』。
ネット上でも様々な議論が交わされましたが、今更ながら、桧垣先生の功績はとても大きかったと思います。

沖縄空手道無想会 新垣清師範 極める!ナイファンチ [DVD]/BABジャパン
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隠されていた空手―「型は教えても手は教えるな」の謎を解明する/チャンプ
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