息子が眠ったので、大城利弘先生のDVD「沖縄空手の真髄 型を打つ」を見ています。
大城先生のお弟子さんが型を打ち、大城先生が横に立って指摘をしたり、「ここはこうだ」と実演して見せてくれる映像がひたすら続く、極めて地味な作り(オープニングやBGMも地味です)ですが・・・
内容は「素晴らしい!」の一語です。
平安の五つの型の動き方をここまで精緻に解説、実演してくれるDVDは他にありませんし、それがマンツーマン指導であるので分かりやすい。
先生が型を打つだけでは凄さが分かりにくいのですが、お弟子さん達の動きが先生の指導で変わっていく様子や、先生自身のその後の模範を見ることで、その凄さが理解しやすいのです。
大城先生の空手は、一言で言えば棒術の理で動く空手。長く固い棒を柔らかく自在に扱うための精妙な体の使い方を、そのまま無手でも活かしている感じです。
以前、山根流棒術の心持ちで平安を打ってみよう、と試みたことがありますが、その時思い描いていた理想形に近い部分があり、嬉しくなりました。
そしてそれは、桧垣先生が指導されている空手(私はその一端の一端を体験させていただいただけですが)に非常に近いものである、とも感じました。
一例をあげると、踏み換え=スイッチステップです。“踏み換え(スイッチステップ)”を使い、型では二挙動の動作を一挙動の超絶スピードの技に仕上げていくという発想とその実技は、全く同じに思えました。
踏み換え+体の畳み・開きで生む見えにくく早い動き。その踏み換えを可能にする腰が主導し手足が従う身体操作。つまり、胴が足にどっかり乗るのではなく、胴が浮き自由に動いて手足を操る動き方。
こういうものを師とのマンツーマンの型の指導の中で身に付けていくのが沖縄空手なんですね。
よく聞く「真の空手は、昔ながらの師が弟子をマンツーマンで指導する稽古でしか伝えられない」という意見も、このDVDを見ると頷けます。
大城先生とお弟子さん達の打つ型の違いは歴然ですが、号令によって動くデジタルな区切りで型の動作を分割すれば、この差は消えてしまいます。
やはり優れた先生に就いてマンツーマン指導を受けねばダメだな、と思いつつも、動画によってそのマンツーマン指導の様子を見ることのできる現代のメディア技術に感謝の気持ちも湧いてきます。
なんて偉そうなことを書いてしまいましたが、まだ触りの部分しか見ることができていません。
残りもしっかり見て頭に入れて、稽古に生かそうと思います。
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※モバイル非対応