昨夜は、嫁さんが突然強い腹痛に襲われ、救急車を呼び、救急診療を受けることになりました。

午前1時から2時間続いた半端ではない苦しみぶりに、一時は気を揉みましたが、どうやら疲労とストレスからくる痛みが強いタイプの胃炎だったようで、痛み止めの入った点滴を受けて落ち着きました。

しかし、最後に救急車を呼ぶに至るまでに味わった過程には、今も怒りが込み上げます。

いきなり救急車を呼ぶのは申し訳ないと思い、消防署の緊急相談センター(だったかな)に電話し、電話で簡単な診断をしてもらったのですが、その後紹介を受けた各病院は、みな「うちでは無理」のたらい回し。
一軒目の「その科の先生はいない」はまだいいとして、二軒目の「それは内科でなく産婦人科へ」、三軒目の「産婦人科でなく内科です」。四件目の断り方は忘れてしまいましたが、似たような「うちのような小さな病院では・・・」というもの。

何のための救急指定の病院なのか。頭に来るのは、互いが「できれば別の病院に行ってくれ」と厄介払いをしていること。「じゃ他の病院ってどこなら?」と訊いても「ご自分で調べてください」と言うだけ。

何なんだ、この区は!と思い、引っ越す前の某市の夜間診療のある総合病院にかけましたが、こちらも「医師はひとりでしかも重傷患者対応中」とのことで断られました。
ただ救いだったのは、以前お世話になったこの病院だけは「診てあげられなくてすみません」と言ってくれ、他の病院を紹介してくれたことです。本当に重傷患者の治療でバタバタしていることも伝わってきたので、むしろ申し訳なく思い、感謝と謝罪の言葉が出ました。

最後はもうこれなら救急車を呼ぶしかないと119。そこからは、救急車の隊員の方々が親切かつ真摯に対応してくださり、きちんと診てくれる病院に運んでもらうことができました。

しかし、区の救急診療の案内体制に対する憤懣は消えません。
安易に救急車を呼ぶべきではないと思っているからこそ、指定の手続きを取ったのに、それがなってない。
救急診療に登録された病院を紹介するだけのコールセンターと、区全体での各診療科医師の待機状況を知らないが故に「よその方がいいはず」と根拠のない自院に都合のいい理由で患者をなすりつけあう各医院。

こんないい加減な体制なら、誰だって最初から救急車を呼びます。

ニュースで、日本の救急医療体制の危機という話を耳にしますが、昨夜、その問題点を嫌というほど味わいました。

弱者をたらい回しにさせないような義務もインセンティブも無い体制は、許せません。