先日見つけた山根流棒術の喜舎場朝義先生らしき方の動画、その後もちょこちょこ見ています。高齢故ややふらふらされている場面もあるのですが、やはり流石だと感じる場面があります。

それは、体側から逆側の体側へ棒を構えなおす切り返しの速さ。まるで棒の瞬間移動です。



0:06付近がまさに典型です。

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義01
棒の内受け、小手払いの構え。

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義02
棒を持つ手の間隔を狭め、

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義03
巻き打ちの振りかぶりのような動きでシッティ。
完全に振り切り、そのしなりを使うのが山根流ならではです。

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義04
振り切ったシッティを返し、“巻き打ち”のような打ち込み。
そして・・・

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義05
いつのまに、棒を右体側に構え直しています。
ここが「瞬間移動」とも言うべき凄まじい速さです。

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義06
次いで大きく踏み込み、

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-喜舎場朝義07
袈裟打ち。

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棒を左体側から右体側へ素早く切り返して構え直す「瞬間移動」。
どうやったらこの速さが出るのか、ずっと疑問でした。巻き打ちをそのまま流しながら、360度回転させながら逆体側に持っていく方法もあります(大城先生のDVDでは主にその方法)が、喜舎場朝義先生らしき方の動画での切り返しは、その方法では出ないように思います。あれは打ち込んだ棒を鋭角的に引き戻して逆体側に持っていっている動き。しかし、巻き打ちの打ち込みを止めて構え直そうにも、勢いよく打ち込む“巻き打ち”をあんな瞬間的に止めることはできません。

実は昨日、一昨日と親バカモードの最中も部屋で棒を振っていた時に、答えらしきものが見えてきました。

鍵は、切り返しの直前の“巻き打ち”で棒の持ち手の間隔が広くなっていることだと思います。
あの巻き打ちは、手の内を滑られながら“巻き打ち”を加速させつつ打っていますが、手の内を滑らせつづけ両手の距離が開くと、ある時点で後ろ手がつっかえ棒となり、打ち込んでいた棒がピタリととまります。打ち込んだ棒を前手の屈筋で引いて止めるのではなく、後ろ手の受動抗筋(©柳川先生)でむしろ押して止める発想です。実際に試すと分かりますが、勢いのついた棒も、これでピタッと止まります。
そして、後ろ手の受動抗筋(©柳川先生)を効かせたまま逆側の体側に後ろ手で棒を押しやれば、止まった瞬間がほとんどない棒捌きになります。さらに逆側に棒を運ぶ際の軌道は水平に近く、直前の巻き打ちの打ち込み方向(ほぼ鉛直方向)とは、90度弱ずれていることで、余計目が追い付きにくくなる。

この方法で棒の切り返しを真似ると、自分の体感としてはかなり速い切り返しとなります。もっとも、まだ右構えでしかできませんが(笑)。

実際のところはどうなんでしょうね・・・。
ひとまず、このやり方が比重にしっくり来るので、「趙雲の棍(小)」のひとり稽古でも採用してみようと思います。

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メモの図解です。
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はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-棒図解