NHKの白州次郎のドラマを見てました。

映像作りが上手いし、俳優陣の演技もいい。テレビドラマの範疇を超えた仕上がりに引き込まれました。
伊勢谷君の英語はややご愛嬌(笑)でしたが、めちゃくちゃかっこいいですね。変に髪を伸ばすより、スーツ着てビシッと七三分けの方がいい男ぶりが引き立つ気がします。

ドラマが直接描いていた訳ではありませんが、見つつ思ったことがあります。それは、我々は暗黒の時代のイメージで塗りつぶされた戦前をきちんと掘り起こして今後の糧を得なければいけないな、ということ。

汚職事件や軍部からの圧力の前に失速した政党政治の歴史、昭和恐慌を乗り越えた経済の歴史、見下していた中国の近代化を判断を誤った国際政治。最後に大きな失敗に帰結したかもしれませんが、近代国家としてのあの数十年の経験は、日本人にとってとても大きな厚みのある財産であるはず。

しかし、我々の歴史意識は1945年を境に分断され、例えばイギリス人やアメリカ人が自国史に学ぼうとする時にように、自然に戦前を振り返ることができていません。今の我々は、むしろ近代国家・国民としての成熟の糧を失っているのではないか、とも思えてきます。

そんなことを思いつつ、見入ったドラマでした。

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