かつて極真空手で「無冠の帝王」と呼ばれた名選手・増田章の「フリースタイルカラテ」が書店に並んでますね。
4月に刊行予定だったはずなので随分待たされました。

フリースタイルカラテ DVD付/増田 章

フリースタイルカラテ

¥2,940 Amazon.co.jp
立ち読みでめくった印象では、
極真空手の打撃をベースに、芦原空手のポジショニングの概念や、レスリングのボディコントロール、古い空手風の取手の技法を組み込んだ「立ち技総合空手」といった趣きです。
しかも何故か、レスリングという空手とは血縁関係の無い格闘技のエッセンスを注入したはずなのに、増田章が実演するフリースタイルカラテの姿は、伝統的な空手技法に回帰したかのように見えます。
気のせいかな?


また、数ヵ月前に雑誌の特集で読んだ時の印象どおり、ブラジリアン柔術的な寝技は組み込んでいませんね。
これは賢明な選択だと思います。
フルコン空手のベースを活かして従来の殻を破るには、まず空手と地続きのところから入るべき。
これならフルコン空手の良さを活かしつつ新しい地平を目指せそうです。

総合格闘技のリングでは勝てないでしょうが、このスタイルで経験を積めば護身には十分でしょうし、総合格闘技に出たいとなった時も後は寝技の寝技を身に付ければよい、と方向性が明確になるはずです(勝てるようになるまでは大変でしょうけど)。

安全性にも考慮して試合をするようですし、机上の空論になる心配も低いですね。


心配なのは、
(1)それなりの競技人口を集められるかどうか?
(2)顔面パンチ無しで掴みを許したことで競技が柔道化してしまわないか?
の2点です。
競技として適切な発展が見られるかどうかが、最大のポイントだと感じます。

とても評価できる取り組みなので、ぜひ上手くいってほしいですね。