出張の往復の新幹線で新書を2冊読みました。
最近の新書は字が大きいのですぐに読み終わってしまいます。
読みやすいのはいいけれど、1冊で1回の出張が持たないのは、コストパフォーマンスが悪いような・・・。

(1)迷いと決断

行きに読んだのは、ソニーの前社長・出井伸之氏が、ソニーCEO時代を振り返った「迷いと決断」。
ソニーで頭角を現し、CEOにまで登りつめた人物が若い頃どんな仕事をしていたか、という部分は面白いですね。ソニー・フランス時代、仕事の枠を越えて、自社の現状分析をレポートにまとめ、本社の技術者たちに直接送っていた、というあたりは流石です。

世界的に著名なCEOたちとの華麗な交遊録には、ただただ感心。
エリート意識の強い欧米のトップ層と渡り合うには、こうした貴族的な人物は確かに必要なのでしょうね。

しかし一方で気になったのが、なんとも言えない、汗の臭いの無さ。
ただ、文章の表現の問題なのかもしれませんが、苦労した話を書いている割に、汗の臭いがしない。どこまでいっても、優雅で、どことなく第三者的で、当事者意識を感じない回顧の連続・・・そんな印象です。

コーポレート「アナリスト」になりたかった、という氏の最初の志の置き方が、この表現しがたい印象を生み出しているのか。
自分など到底及ばない優れた人物の回顧録でありながら、なぜか途中から反面教師を見る想いでよんでしまいました。

迷いと決断/出井 伸之
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(2)ビジネスの常識を疑え
帰りに読んだのは、経営コンサルタントで、ビジネススクールの教授もしている遠藤巧氏の「ビジネスの常識を疑え」。
1トピック3ページという軽く読める構成で、ビジネス本が教える常識が、必ずしも正しくないこと、結局は状況に応じて自分の頭で考えていくしかないことを説明してくれる好著です。
最近は、MBA的なビジネス理論も随分コモディティ化してきているので、こうした視点は面白いですね。
類書が無いことも無いのですが、この本の良いところは、事例がきっちり出てくるところ。

・「合理的な戦略があれば競争に勝てる」とは限らない
・「『総合○○』は時代遅れ」とは限らない
・「中間プレイヤーは不要になる」とは限らない
などの、常識の逆を理詰めで指摘する本はありますが、遠藤氏はいちいち実際の会社名を出して「逆」の事例を紹介してくれるので、理解しやすく納得感があります。常識の逆の事例を多く知るためのリファレンス本として読んでもいいかもしれませんね。

本書の内容からは少し離れますが、きちんと例を示して説得することの大切さも改めて気づかされました。
いい本です。

# これの環境経営バージョンもあったら面白いかな。

ビジネスの“常識”を疑え!/遠藤 功
¥840 Amazon.co.jp
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今日の筋トレ。
V字腹筋50回
カールレイズ(片手6kg)20回×2セット
ダンベル肩回し(片手6kg)10回
足の裏が痛いので、ちょっとメニューは軽め。