世間の流れに少し遅れつつ、YouTube遊びにはまっているはみ唐です。
今回は、日本拳法(正確には、自衛隊徒手格闘?)の試合動画を見つけました。

日本拳法は、昭和初期に考案された、剣道のような防具をつけて打撃・投げ・寝技有りで戦う総合格闘技
体重を乗せた重いストレート、打撃を捌きながらの投げや寝技、昭和初期に作られたとは信じられない実戦性の高さを誇る武道です。
・・・と、ここまでは、武道オタクですから、知識として知っていたのですが、実は動いている映像を見たことがありませんでした
面と胴を付けたら動きにくいし、立ち技も寝技ものっそりした試合してるんじゃないかな、等と失礼な連想をしていました。しかし、見て、ビックリ。いや~、すごいですね。

日本拳法試合映像(自衛隊)
http://www.youtube.com/watch?v=iqdfKDBkqp4&mode=related&search=


全体重の載せた日拳ストレートは、スピードもパワーも充分。すごい迫力。組み付いての首投げも力強いし、腕十時を極めに行く動きも技巧的でスムーズ。寝技の打撃も、4点膝蹴りはあるは、ニーオンザベリーからの打ち下ろし正拳はあるし・・・疑いようも無い実戦性です。
(特に興味深かった立ち技の打撃について別に分析してみました→こちら
自衛隊員の体力があるからこその身体能力なのかもしれませんが、とにかくド迫力ですね。

それにしても、防具をつけて迷い無く顔面を殴り合い、投げあい、寝技で極め合う日本拳法の試合を見ていると、なんとも言えない気分になってきます。

安全性を考えて「寸止め」にしたり、「顔面無し」でフルコンタクトにしたり・・・空手の試合のなんと不自然なことか
もちろん、安全性を気にしすぎるくらい気にしたルールのおかげで、空手の競技人口は日本拳法を遥かに上回っています。それは言うまでもなく素晴らしいことです。しかし、普及という成功の陰で失ったものも、やはり大きかった・・・。
そう思わせてくれる日本拳法の試合映像です。

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一方でちょっと気になるのは、前後のフットワークで重いストレートを打ち込む日本拳法では、回し蹴り系の蹴りがあまり役に立っていないこと。前後の出入りを止めることができないし、ヒットポイントもずれてしまい、逆にストレートの餌食になっている感じです。
これが「顔面ありの真実」なのかもしれませんが、ちょっと違う気もします。

重いグローブ(篭手?)で重い面を打つために、ストレートの威力が実際より増幅されているようにも見えます。もしも素手・素面であれば、あそこまで思い切って拳を打ち込めない(拳が壊れる)し、打ち込んだ拳の運動エネルギーはあんなにロス少なく相手の頭部に伝達しないでしょう。素手・素面であれば、あそこまでアッケラカンとストレートを顔面に打ち込むことは難しいなのです。

素手・素面で打ち合ったら、回し蹴り系の蹴り技はどういう位置づけになるのか・・・。怖いけど、とても気になったはみ唐でした。