名古屋方面出張から帰社してみたら・・・
お!
おおお!!!
来てました!!!!!
『アーサー王宮廷のビザンツ騎士』の抜刷!!!!!!
うれしくて写真を撮ってしまいました↓。
説明しよう!!!(タイムボカン)
以前別の記事 で書いたように、これは、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)研究者・根津由喜夫先生(主著:『幻影の世界帝国 ビザンツ』 )が、日本ビザンツ学会での発表されたある研究についての論文である!
テーマは、西欧の中世騎士文学の花・アーサー王伝説に出てくる、ビザンツ帝国騎士についての考察!!!
帰りの電車の中で一気読みをしましたが・・・面白かった!
ロジカルな推理小説と、面白うてやがて悲しき騎士物語を同時に読んだ読後感。
アーサー王がオックスフォードで開催した馬上槍試合に正体を隠して参加した一人の騎士。武芸優れたこの謎の騎士は、アーサー王伝説の副主人公である「湖の騎士」ランスロ、同様に名高い「聖杯の騎士」ペレスヴァルを打ち破ってしまう。
アーサー王にたたえられた謎の騎士の正体は・・・老大国・東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の皇太子・クリジェスだった。
この物語が「クレチアン・ド・トロワ」という物語作家に書かれた時代は12世紀。
すでに西欧諸国とビザンツ帝国の関係は悪化しており、悪名高き第四次十字軍(イスラム教徒を倒しにいったはずが、同じキリスト教徒の国・ビザンツ帝国を占領してしまった十字軍)の悪行がおこった1204年を数十年後に控えた時代。
なぜ、この時代に、ビザンツ帝国に好意的な物語が書かれたのか?
背景になる史実はあったのか?
あったとすれば、クリジェスは誰なのか・・・???
根津先生は、20世紀初頭から半ばまで欧州の史学界でブームになったクリジェスのモデル探し研究を整理し、ひとつひとつ検証していきます。12世紀は、西欧諸国とビザンツ帝国の力が逆転した時代。根津先生は、ビザンツ皇太子「クリジェス」と西欧の覇王「アーサー王」物語が生まれた理由を探す作業を通じて、12世紀というターニングポイントとなる時代の雰囲気を描き出していきます。
論文にしておくのがもったいない。新書にしたら結構売れるのでは?
* * *
ちなみに、表紙には手書きで、「謹呈 はみ唐 様」!(キャー♪)
しかも手紙が入っていました。
内容としては、"近々同様のテーマの論文を集めて一書にまとめたいと考えている"というもの。
出版されたら、保存用、貸し出し用、読書用に三冊買います!