中学生になり私のことを知る人が増えると、母の元にいろんな人から、いろんな治療方法が持ち掛けられます。そのほとんどは病院や医学的な話しではなく、何それ!と笑ってしまいそうな内容ばかり。それでも両親からすれば藁をもつかもうと必死なため、一つ一つ丁寧に話を聞いていたようです。さすがに宗教には手を出さなかったようですが、民間療法のようなものからおまじないもどきまで色々と面白い経験はしました。いいカモだと思われたことでしょう。一番おかしなおまじないは、今70歳代以上の親御さんをお持ちの方ならピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、謎のシール。金色で三角形のマークが入ったシールでよく昔は家電や家の柱、玄関などに貼っている人がいらっしゃいました。夫の実家にも柱と仏壇の側に貼ってあり、思わず笑ってしまいました。けっこう古いお宅では見掛けることがあって、意外と流行ったんだなぁ、と驚いています。私の病気には、そのシールをビニールに入れて水に浸しその水で頭を洗う、というもの。確か邪気を祓うような効果があるシールだったと思います。さすがに、それで脱毛症は治らないと、断言してもいいのではないかと思いますが。お香のようなものの煙を当てながら全身をマッサージするというのもありました。温熱療法で、これは気持ちよかったです。身体をリラックスさせ、ストレスを取り除くという意味で話が回ってきたのだと思いますが、脱毛症という病気には少し根拠が薄かったように思います。マッサージ系は他にもいくつも行きました。善意もあったのでしょうが、大半は、病院なんてあてにならないんだから、とか、そんな薬飲んでいたら身体がダメになる、とかおおよそ信憑性のないことばかり言って来るような人たちでした。原因がストレスだなんて、恰好のエサになります。家庭が、守護霊が、と好き放題言いながら入り込もうとする人も少なくなかった。両親に言う人も私に直接言う人もいましたが、その手の話にはあまり付き合わなかったようです。また、食べ物が悪いと、健康志向の方からオーガニックのお店や会のようなものを紹介されもしました。身体に良いでしょうが、正直、髪が生えるか生えないかが重要なときだったので、そんな長期的な話しされても、脱毛症に乗じて、と、いい感情は持てませんでした。父には、どこの病院がどんな治療でって具体的な話しを教えてくれる職場の方がいたようですが、母や私にはなんだか、核心からは、ずれたような時間とお金だけがかかるような話が多かったように感じます。いろいろと試してみましたが、これといって私には効果もなく、かといってステロイドの効果もいまいち感じられず過ごしました。