中学校が始まっても、髪が生える気配もなく、大学病院では確かその頃から、ステロイド療法が始まりました。付き添ってくれていた母と私に副作用などの説明がありました。もう、何でもよかった。副作用がどうであれ、まずは髪が生え、元の姿に戻れるなら。プレドニンを1/4錠ずつ増減させ、あの小さな錠剤を飲み忘れただけで鼻の奥が重くなり頭痛がした。お医者さんの仰々しい説明と、服用し忘れた時の体への影響だけで期待が大きくなって。実際、しばらく経つと徐々に産毛が出てきて、気分が上がるのも束の間、また抜けて。プレドニンを増やすと出て、ちょっとでも減らすと抜けて。薬をかなりの量に増やし、生えてきてもしばらく減らさずにしてみても、やはり抜けてきて。父が虫めがねで私の頭を見だした時には大笑いしましたが(堅物で冗談も言わないような父なので)、一喜一憂を家族で繰り返していました。病院での診察はこれといって代わり映えせず、ただ頭を見て薬を増減するのと、軟膏を塗るくらいで、担当医もおじいちゃん先生から別の先生に代わっていました。たまに写真を撮られてあとは薬の処方箋書いてもらう。こうして薬のんでおけばじきに治るってことかな、と思うくらい何もなかった。他の治療法も他の原因を探す提案もなく、かといって快方へ向かっている気配もなく。両親も変化のない現状に焦っていたと思います。元々けんかが多い夫婦でしたが更にけんかも増えました。不安をぶつけ合う感じで。私からすれば、それに大きなストレスを感じていましたが、その分両親の不安や苦しみも伝わりました。先々のことも考え本当に心配で不安だったと思います。私以上に。娘が周りからどう見られるのか、娘が耐えられるのか、それも気にしていました。私は両親が耐えられるのか心配でしたが。