ベルリン・ヘラースドルフでは、大変なことが起きている。
何年も使われていない学校施設を難民受入れ施設として使用することに一部の地域住民が反対して、それに極右政党NPDやその他排他的市民団体が便乗して、施設前で抗議行動を繰り広げている。ネオナチを上回る数の人々がカウンター行動に駆けつけたが、入居しはじめた難民は、誰が何を主張しているのか理解できず、怯えきっているらしい。ベルリンの他の受入れ施設から強制的にヘラースドルフに移送された難民のうち、数名は元の施設に逃げ帰った。
警察が極右とカウンターの間に入って衝突を防いでいるが、雰囲気は殺伐としている。
(地方紙のフォトギャラリー
。記事の最後の方にある「Bildergalerie」というリンク。
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一部の地域住民は、一度に数百名の難民が近所に移り住んでくることに対し不安を抱えていたり、また、ドイツ政府が難民を受入れる事自体に不満を抱えている。新聞のインタビューに答えた住民は、難民が犯罪を犯すのではないかと案じていた。
政府、行政に対する不満と難民に対する偏見が相俟って抗議行動につながっている。
地域住民の理解を得るために行政がしたことといえば、説明会を1回開いただけ。その説明会にも、極右政党が駆けつけて扇動行為を行った。
一部の地域住民とネオナチによる難民に対する攻撃は、これまでに何度も起きている。
1992年8月22日から26日にかけて、ロストック・リヒテンハーゲンでネオナチが難民受入れ施設を攻撃・放火し、一部の地域住民が見物・拍手喝采し、警察・消防車の活動を妨げた。
http://www.newsdigest.de/newsde/column/dokudan/4
当時の出来事をまとめた映像
こういう出来事があったからこそ、今回のヘラースドルフでの出来事も看過できない。