■お伽話職人の苦悩〜一寸法師編〜
昔々、ある所に、お伽話職人達がおったそうな。
彼等の生業は、自分達の作ったお伽話を通じて、子供達に道徳や秩序を教える事じゃった。
この日も彼等は、新しいお伽話について話し合っておった…。
職人A「今回のお伽話のコンセプトは、“勇気をもって行動すれば、必ず勝利を掴める”だ。」
職人C「はい、血生臭いの入りました~。」
職人B「何度も言うが、お伽話以外は…。」
職人D「みなまで言うな。」
職人C「せやかて、戦の匂いぷんぷんですやん。」
職人D「言うだけムダと言うものよ。」
職人B・C「……。」
職人A「草案を聞いてもらえるだろうか。」
職人D「うむ、頼む。」
職人A「心優しき老夫婦の元に生まれた一寸程の赤ん坊は…。」
職人B・C・D「一寸!?」
職人A「あぁ、一寸だ。」
職人C「一寸いうたら、約3cmやで。」
職人A「一寸法師と名付けられた赤ん坊は、小さなまま青年へと成長する。」
職人C「スルーや。」
職人A「成長した一寸法師は、都へと上り、都を荒らし回っていた鬼と対峙する。」
職人B・C・D「えっ!?」
職人B「鬼であるからには、身長2m、体重130kgは下るまい。」
職人D「チェ・ホンマンVSマイティ・モー以上の身長差ではないか。」
職人C「踏んで終いやな。」
職人B「毒殺を画策したとか。」
職人C「相手が鬼とはいえ、無慈悲や。」
職人D「殺伐としたお伽話になるな。」
職人A「…諸君、一寸法師は鬼と一騎打ちの末に勝利を掴むのだが。」
職人C「無理やって。」
職人B「因みに、一寸法師の武器は何だね?」
職人A「武器?刀代わりの針を一本だ。」
職人B・C・D「針!?」
職人A「小さな者でも勇気を出せば、大きな敵にも勝利し得るというのが、この話の核なのだ。」
職人C「せやかて、鬼を針で突付いて倒すて。」
職人D「まぁ待て。どくばりの急所攻撃が決まったのかも知れん。」
職人B「そうか。それならば、はぐれメタルでも倒せる。」
職人A「…一寸法師は都に上ったのだ。アリアハンではない。」
職人D「すまん。」
職人B「では、一寸法師は一体どうやって、針一本で鬼退治をやってのけたのだ?」
職人A「うむ、一寸法師の力を侮った鬼は、彼を丸飲みにしてしまう。」
職人C「ゲームセットやないけ。」
職人A「しかし、一寸法師はそれを逆手に取り、胃袋を中から針で突付きまくる。」
職人C「うわっ、えげつなっ!!」
職人D「その激痛たるや、想像を絶するものだったろう。」
職人B「鬼も、思わずソルマックに手を伸ばしたに違いあるまい。」
職人A「たまらず一寸法師を吐き出した鬼は、一寸法師に降参し、都を去った。」
職人C「吐き出してからの踏みつけでよろしいやん。」
職人A「そして一寸法師は、鬼が落としていった打出の小槌の力によって、身の丈六尺の大男になり、助けた姫を妻とし、幸せに暮らす。」
職人B「六尺…。」
職人C「仮に平安時代の話やとすれば、成人男子の平均身長は160cm台やで。」
職人D「鬼に勝るとも劣らない大男だ。」
職人B「他者から奪った物で己を大きくするワケだな?力による変更の成功例か。」
職人C「断固阻止せな。」
職人D「オチが読めた人も多いだろうが、一応聞いておく。作戦名は?」
職人A「愛国無罪。」
職人B・C・D「やっぱり風刺か!!」
職人C「……今回はこじつけ感が否めんな。」
職人B「個人的にあの件が許せないのだろう。」
職人A「………。」
~糸冬~
彼等の生業は、自分達の作ったお伽話を通じて、子供達に道徳や秩序を教える事じゃった。
この日も彼等は、新しいお伽話について話し合っておった…。
職人A「今回のお伽話のコンセプトは、“勇気をもって行動すれば、必ず勝利を掴める”だ。」
職人C「はい、血生臭いの入りました~。」
職人B「何度も言うが、お伽話以外は…。」
職人D「みなまで言うな。」
職人C「せやかて、戦の匂いぷんぷんですやん。」
職人D「言うだけムダと言うものよ。」
職人B・C「……。」
職人A「草案を聞いてもらえるだろうか。」
職人D「うむ、頼む。」
職人A「心優しき老夫婦の元に生まれた一寸程の赤ん坊は…。」
職人B・C・D「一寸!?」
職人A「あぁ、一寸だ。」
職人C「一寸いうたら、約3cmやで。」
職人A「一寸法師と名付けられた赤ん坊は、小さなまま青年へと成長する。」
職人C「スルーや。」
職人A「成長した一寸法師は、都へと上り、都を荒らし回っていた鬼と対峙する。」
職人B・C・D「えっ!?」
職人B「鬼であるからには、身長2m、体重130kgは下るまい。」
職人D「チェ・ホンマンVSマイティ・モー以上の身長差ではないか。」
職人C「踏んで終いやな。」
職人B「毒殺を画策したとか。」
職人C「相手が鬼とはいえ、無慈悲や。」
職人D「殺伐としたお伽話になるな。」
職人A「…諸君、一寸法師は鬼と一騎打ちの末に勝利を掴むのだが。」
職人C「無理やって。」
職人B「因みに、一寸法師の武器は何だね?」
職人A「武器?刀代わりの針を一本だ。」
職人B・C・D「針!?」
職人A「小さな者でも勇気を出せば、大きな敵にも勝利し得るというのが、この話の核なのだ。」
職人C「せやかて、鬼を針で突付いて倒すて。」
職人D「まぁ待て。どくばりの急所攻撃が決まったのかも知れん。」
職人B「そうか。それならば、はぐれメタルでも倒せる。」
職人A「…一寸法師は都に上ったのだ。アリアハンではない。」
職人D「すまん。」
職人B「では、一寸法師は一体どうやって、針一本で鬼退治をやってのけたのだ?」
職人A「うむ、一寸法師の力を侮った鬼は、彼を丸飲みにしてしまう。」
職人C「ゲームセットやないけ。」
職人A「しかし、一寸法師はそれを逆手に取り、胃袋を中から針で突付きまくる。」
職人C「うわっ、えげつなっ!!」
職人D「その激痛たるや、想像を絶するものだったろう。」
職人B「鬼も、思わずソルマックに手を伸ばしたに違いあるまい。」
職人A「たまらず一寸法師を吐き出した鬼は、一寸法師に降参し、都を去った。」
職人C「吐き出してからの踏みつけでよろしいやん。」
職人A「そして一寸法師は、鬼が落としていった打出の小槌の力によって、身の丈六尺の大男になり、助けた姫を妻とし、幸せに暮らす。」
職人B「六尺…。」
職人C「仮に平安時代の話やとすれば、成人男子の平均身長は160cm台やで。」
職人D「鬼に勝るとも劣らない大男だ。」
職人B「他者から奪った物で己を大きくするワケだな?力による変更の成功例か。」
職人C「断固阻止せな。」
職人D「オチが読めた人も多いだろうが、一応聞いておく。作戦名は?」
職人A「愛国無罪。」
職人B・C・D「やっぱり風刺か!!」
職人C「……今回はこじつけ感が否めんな。」
職人B「個人的にあの件が許せないのだろう。」
職人A「………。」
~糸冬~
■こうして消費税は導入された
1988年・国会議事堂ロビーにて。
竹下「宮っち!」
宮沢「おっ、竹やん!」
竹下「何してんの?」
宮沢「家にいても暇だからさぁ、ここにいれば、何か仕事してると思われるでしょ?」
竹下「今日はUFOキャッチャーやらないの?」
宮沢「うん…。この前、ハシゴして400万も使っちゃってさ、それでヌイグルミ4つしかとれなくて。」
竹下「ひとつ100万円は高いよね。それでやめたの?」
宮沢「いや、結局、機械ごと買ったよ。」
竹下「じゃあ、家でやればいいじゃん。」
宮沢「それがさ、あれはゲーセンでやるから面白いみたいで。」
竹下「飽きたの?」
宮沢「…うん。中曽根くんにあげちゃたよ。」
竹下「…ホント暇だよね。」
宮沢「竹やんは忙しいんじゃないの?なんてったって総理大臣じゃん。」
竹下「普通の議員と変わらないよ。」
宮沢「そうだよね…。」
竹下「宮っち。」
宮沢「ん?」
竹下「俺、消費税やろうと思うんだ。」
宮沢「えっ、マジ?やめた方がいいんじゃない?前に大平ちゃんが大バッシング食らったじゃん。」
竹下「でもさ、宮っちもお金、欲しいでしょ?」
宮沢「そりゃ欲しいけどさ。」
竹下「一回始まっちゃえば平気だよ。うまく行けば、神楽坂あたり毎晩くりだせるよ?」
宮沢「でもさ、また公費の無駄遣いってマスコミに叩かれるよ?」
竹下「一時的なモンだって。一度やってみたいでしょ?札束ビンタ。」
宮沢「男の夢だよね。」
竹下「女体盛りの次は、やっぱ札束ビンタでしょ。」
宮沢「女体盛り、やったの!?」
竹下「うん。金丸くんが誕生日プレゼントに誘ってくれてさ。」
宮沢「いいなぁ…。」
竹下「話を戻そう。最初は3%くらいからやれば平気だって。」
宮沢「そっか…。」
竹下「そうだって。だからさ、次の国会までに根回ししといてくれない?」
宮沢「え~、俺が?」
竹下「ストⅡの春麗の人形プラス女体盛りご招待!」
宮沢「えっ!竹っち、春麗持ってたの!?ってか、女体盛りいいの!?」
竹下「いいともさ。」
宮沢「とか言って、前みたいにダッチワ○フに刺身乗っけたやつじゃヤダよ?」
竹下「あれはエイプリルフールだって。」
宮沢「わかった。俺、やるよ!」
竹下「もつべきものは友達だね。」
宮沢「ところで、リクルートの件だけど。」
竹下「それはココでは言うな…。」
この翌年、消費税は施行された…。
■踏切の遮断機は、こうして虎柄になった
19××年、大阪府某所。
田中「皆さんご存知の通り、踏み切りの遮断機の色を、一般公募したワケだが…。」
菊田「応募総数148652通のうち、約8割が阪神ファンから寄せられたトラ柄だった…と。」
田中「…うむ。」
高橋「反国家的な匂いがするな。」
菊田「まさか。」
田中「そこでだ。阪神ファンの代表を招聘した。」
虎崎「どうも、虎崎です。」
菊田「虎崎さんら阪神ファンは、なぜ踏み切りの遮断機をトラ柄にしたいんです?」
虎崎「己が身に対する、足枷です。」
高橋「あしかせ?」
虎崎「さようです。兎角、阪神ファンというのは、暴走しがちです。」
田中「うむ。」
虎崎「乱闘騒ぎはお手の物。試合に勝った日の『六甲颪』なんぞ、ジェット機並みの騒音です。」
菊田「それで、何で遮断機をトラ柄にしたいんだね?」
虎崎「我々は、協議しました。このままでいいのかと…。こんな事を続けたら、いつか国が動くのではないかと。」
高橋「それで?」
虎崎「そこに、この遮断機の話です。」
田中「引っ張るね。」
虎崎「遮断機をトラ柄にする事で、我々も自分自身の煩悩を遮断しようと。」
菊田「…それは苦しくないか?」
高橋「そんな理由で遮断機をトラ柄には出来んよ。」
虎崎「…あなた達は、阪神ファンをナメている。」
一同「え?」
虎崎「国内最大のフーリガンとも言える阪神ファンを甘く見ると、後が怖いですよ。」
菊田「自分で言うかね。」
虎崎「武器を持たせたら、自衛隊より強いですよ。数からして、自衛隊より多いですしね。」
高橋「物騒だな。何かやらかす気かね。」
虎崎「そうなる前に、自ら抑止しようと言うのです。」
田中「立派な考えだ。」
菊田・高橋「はっ?」
田中「虎崎さんは、阪神ファンばかりか、今の日本をも憂いている。」
菊田「つまり?」
田中「今の日本を見なさい。政府政策は、いつも後手後手。何か事態が起こらぬウチに手を打つという習慣が無いせいだ。日本政府に警鐘を鳴らし、今後の布石とする為にも、採用すべきではないか。」
高橋「…田中さん、阪神ファンか?」
田中「…。」
虎崎「ともかく、そう言った高度な理由から、我々は遮断機はトラ柄であるべきと判断したのです。」
菊田「高度…か?」
高橋「何か論点がズレてるような…。」
虎崎「菊田さん、読売ファンか?」
菊田「そうだが。」
虎崎「私は電話一本で、二千人の阪神ファンを呼び出す事が出来ます。読売ファンに、そこまでの団結力がありますか?」
菊田「そんな大袈裟な…。」
虎崎「よろしい。証拠をお見せしましょう。この会場を五重に取り囲んで見せます。」
菊田「待て待て待て待て。早まるな。」
虎崎「私が本気なのがわかりましたか?」
菊田「十二分にわかった。…が、私一人では決め兼ねる。」
虎崎「やはり電話を…。」
菊田「わー待て待て!どうする?高橋くん。」
高橋「私は初めからトラ柄を推していましたが…。」
一同「…世渡り上手…。」
こうして踏み切りの遮断機は、トラ柄になった。
■ヤクルトの大きさは、こうして決まった
19××年、都内某所。
大井「…だからね?チマチマ飲んでも、飲んだ気がしないのだよ。」
中沢「うむ。いくらなんでも80mlは少なすぎると思うが。やはり500mlの紙パックで発売すべきではないのかね。」
小田「気分の問題ではないでしょう。こちとら健康をウリにしているんだ。」
大井「しかしだね、二口分はないだろう、二口分は。」
中沢「だが、1リットルペットボトルもどうかと思うが。」
小田「それに、子供なら四口分はあろう。」
大井「しかし、一気に飲む子供も…」
中沢「待て待て、論点を戻そう。大井さん、あんた本気で1リットルペットボトルが売れると思っているのかね。」
大井「チマチマ飲んで、何度も買いに行くのは面倒だろう。毎日少しづつ飲めば良いコトだ。」
小田「人間、そんなコトが出来るかね。」
中沢「ヤクルトが初代青汁クラスのマズさならわかるが。」
大井「じゃあ訊くが、中沢さんの500mlパック案はどうかね。紙パックに入ったヤクルトを何日もかけて飲むワケではあるまいね。」
中沢「…。」
小田「アホだな。」
中沢「小田さん、何て?」
小田「そもそも、あんた達はヤクルトの一日の推奨摂取量を知っているのかね。 80mlなら成人で一日一本、プロ野球選手ですら三本が限度ですぞ。」
大井・中沢「えっ!?」
小田「…知らなかったのか。」
大井・中沢「…。」
小田「ユーザーが毎日コップに一杯づつ飲んでみなさい。東京は屍の山だ。」
大井「オーバーな。」
小田「あんたは死屍累々が見たいのか?」
中沢「しかし、80mlをチマチマ売るワケにもいくまい。」
小田「500mlパックを本気で推していた中沢さんに言われると、妙に腹立たしいね。」
中沢「あんた、私の事が憎いのかね。」
金原「まぁまぁ、冷静に。」
一同「誰だ、あんた。」
金原「要は、推奨摂取量と手間の問題を解決すればいいワケだ。」
大井「人の話を聞いてないな。」
中沢「いつからいたんだ?」
小田「全身、金尽くめだ…。」
金原「ならば、80mlを5本パックで売ればいいと思うが。」
一同「それだ!」
大井「それでは、その案を採用という事で…。」
中沢「結局、誰なんだ?この人は。」
小田「歯が全部、金歯だ…。」
金原「つづいて、容器の色だが…。」
一同「黙れ。」
こうして、ヤクルトの大きさは80mlになった。
※ちなみに、いくら飲み過ぎたからと言ってヤクルトで死ぬ事は無いと思うのでご安心を。
大井「…だからね?チマチマ飲んでも、飲んだ気がしないのだよ。」
中沢「うむ。いくらなんでも80mlは少なすぎると思うが。やはり500mlの紙パックで発売すべきではないのかね。」
小田「気分の問題ではないでしょう。こちとら健康をウリにしているんだ。」
大井「しかしだね、二口分はないだろう、二口分は。」
中沢「だが、1リットルペットボトルもどうかと思うが。」
小田「それに、子供なら四口分はあろう。」
大井「しかし、一気に飲む子供も…」
中沢「待て待て、論点を戻そう。大井さん、あんた本気で1リットルペットボトルが売れると思っているのかね。」
大井「チマチマ飲んで、何度も買いに行くのは面倒だろう。毎日少しづつ飲めば良いコトだ。」
小田「人間、そんなコトが出来るかね。」
中沢「ヤクルトが初代青汁クラスのマズさならわかるが。」
大井「じゃあ訊くが、中沢さんの500mlパック案はどうかね。紙パックに入ったヤクルトを何日もかけて飲むワケではあるまいね。」
中沢「…。」
小田「アホだな。」
中沢「小田さん、何て?」
小田「そもそも、あんた達はヤクルトの一日の推奨摂取量を知っているのかね。 80mlなら成人で一日一本、プロ野球選手ですら三本が限度ですぞ。」
大井・中沢「えっ!?」
小田「…知らなかったのか。」
大井・中沢「…。」
小田「ユーザーが毎日コップに一杯づつ飲んでみなさい。東京は屍の山だ。」
大井「オーバーな。」
小田「あんたは死屍累々が見たいのか?」
中沢「しかし、80mlをチマチマ売るワケにもいくまい。」
小田「500mlパックを本気で推していた中沢さんに言われると、妙に腹立たしいね。」
中沢「あんた、私の事が憎いのかね。」
金原「まぁまぁ、冷静に。」
一同「誰だ、あんた。」
金原「要は、推奨摂取量と手間の問題を解決すればいいワケだ。」
大井「人の話を聞いてないな。」
中沢「いつからいたんだ?」
小田「全身、金尽くめだ…。」
金原「ならば、80mlを5本パックで売ればいいと思うが。」
一同「それだ!」
大井「それでは、その案を採用という事で…。」
中沢「結局、誰なんだ?この人は。」
小田「歯が全部、金歯だ…。」
金原「つづいて、容器の色だが…。」
一同「黙れ。」
こうして、ヤクルトの大きさは80mlになった。
※ちなみに、いくら飲み過ぎたからと言ってヤクルトで死ぬ事は無いと思うのでご安心を。
■足の指の並びは、こうして決まった
サルが人間に進化した頃の話。
親指「…どうも決まらないね。」
人差し指(以下、人指)「そりゃ、そうさ。」
中指「なにせ人類が滅びるまで続く重要な事柄だからね。」
薬指「案外早く滅びるかもよ?」
小指「それ言ったら終いやろ。」
親指「やはり、大きい順に並ぶのが妥当だと思うが。」
小指「あかんあかん、そしたら俺が最後や。」
人指「しかし、最終的には誰かが端になるんだ。」
薬指「なら、あんたが端になったらどうかね。」
中指「大きい順でも小さい順でもいいじゃないか。」
小指「他人事やな。」
親指「どっちから数えても真ん中だからな。お気楽だ。」
中指「他人事なんて、そんなモンでしょう。」
親指「ならばいっそのこと、ランダムに並ぶとか。」
一同「それは不気味だろ。」
人指「デクノボーが。」
中指「言うね。」
薬指「まぁまぁ、とにかくだ。見た目良く機能的に収めるには、順序良く並ぶ必要があるのは確かだ。」
小指「端は嫌やで。」
人指「まだ言うか。」
小指「そらそうや。端っこなんかになってみい。タンスの角やら柱の角にボコボコぶつかって、あっという間にオダブツや。」
中指「一理あるな。」
薬指「さしあたって一番丈夫そうなのは…。」
親指「…目で訴えるな。目で。」
人指「適役だね。」
親指「嫌だって。」
薬指「腹をくくったらどうかね。」
親指「待て待て待て待て。やはり、万事、親から子へと流れるのが自然の摂理だと思うが。」
小指「ホンマの家族とちゃいますやん。」
中指「しかも「子指」じゃなくて「小指」だしね。」
親指「…。」
人指「…気付かなかったのか。」
薬指「決まりだな。」
親指「待てって!いいかね?先頭という事は、それなりのリスクも背負わなければならないと言う事だ。」
小指「つまり?」
親指「…いや、その…、そう!水虫だ。」
一同「水虫?」
親指「さよう。水虫にかかる確率は、先頭が一番高いのだ。」
中指「水虫はキツイな。」
人指「そう言えば、巻き爪になる確率も高いらしいな。」
親指「小指さんには、その覚悟がおありかね。」
小指「…。」
薬指「じゃあ、大きい順と言う事で…。」
こうして足の指の順番は、大きい順に決まった。
■信号の青が緑色なワケ
19××年、都内某所。
白井「…まさか、またこのメンバーで議論する事になろうとは…。」
赤沢「不満かね。」
緑川「以前にも何か議論したんですか。」
青山「ポストの色と消防車の色、それに日の丸の色を決める時にね。」
緑川「結局、すべて赤になりましたよね?」
青山「一回目は手首、二回目は切腹で脅されてね。」
赤沢「心外だな。」
白井「まぁまぁ、今回は黄本さんに代わる新たなメンバーを加えての議論だ。平穏にいこうじゃないか。」
青山「議論をする必要があるかね。進めは青以外に考えられんだろう。」
緑川「待って下さい。青は暗いと、前にも言ったでしょう。緑にすべきです。」
赤沢「いっその事、ジャンケンで決めたらどうかね。」
青山「赤沢さん、今回は余裕だな。」
緑川「止まれが赤に決定済みだから、興味ないんでしょ。いい気なモンだ。」
金原「支柱の色についても議論すべきだと思うが。」
赤沢「あんた、いたのか。」
金原「御挨拶だね。」
赤沢「前回は消防車を金色にしろとか言ってたが、まさか今回は信号を金色にしろとか言い出すんじゃあるまいね。」
金原「…。」
白井「誰だね、金原さんを呼んだのは。」
赤沢「白井さん、金原さんには辛く当たるね。」
青山「兎に角だ、光の三原色である青は、外すべきではない。」
緑川「緑は目に優しい。一番長い時間点灯しているのだから、緑で然るべきだ。」
白井「まとまる気配が無いな。」
赤沢「いっそ、二色を足して割って…。」
青山「みなまで言うな。」
緑川「私は一瞬、殺意を覚えましたよ。」
白井「しかし、赤沢さんの言葉も、一理ある。」
青山「邪道だね。」
緑川「まったくだ。こっちは真剣なんだ。」
赤沢「じゃあ、他に解決策があるのかね。」
青山「こうしよう。私が人柱になろう。」
一同「はっ?」
赤沢「あんたにしては思い切ったこと言うね。」
緑川「つまり、それだけの情熱があると。」
青山「ハンパじゃありませんよ。」
白井「しかしね、前回・前々回と赤沢さんにやられているんで、今回は本当に埋めるが。」
青山「…。」
緑川「わかりました。青山さんが本気なら、私にも考えがある。」
白井「なんだね、君まで。」
緑川「即身仏になりましょう。」
一同「即身仏?」
白井「だからね、今回は本当にやってもらうよ?」
緑川「…。」
赤沢「なら、色を緑にして、それを青と呼ぶのはどうかね。」
一同「それだ!」
白井「じゃあ、赤沢さんの意見を採用と言う事で。」
金原「つづいて、支柱の色だが…。」
一同「黙れ。」
こうして信号の「進め」は、青という名の緑になった。
白井「…まさか、またこのメンバーで議論する事になろうとは…。」
赤沢「不満かね。」
緑川「以前にも何か議論したんですか。」
青山「ポストの色と消防車の色、それに日の丸の色を決める時にね。」
緑川「結局、すべて赤になりましたよね?」
青山「一回目は手首、二回目は切腹で脅されてね。」
赤沢「心外だな。」
白井「まぁまぁ、今回は黄本さんに代わる新たなメンバーを加えての議論だ。平穏にいこうじゃないか。」
青山「議論をする必要があるかね。進めは青以外に考えられんだろう。」
緑川「待って下さい。青は暗いと、前にも言ったでしょう。緑にすべきです。」
赤沢「いっその事、ジャンケンで決めたらどうかね。」
青山「赤沢さん、今回は余裕だな。」
緑川「止まれが赤に決定済みだから、興味ないんでしょ。いい気なモンだ。」
金原「支柱の色についても議論すべきだと思うが。」
赤沢「あんた、いたのか。」
金原「御挨拶だね。」
赤沢「前回は消防車を金色にしろとか言ってたが、まさか今回は信号を金色にしろとか言い出すんじゃあるまいね。」
金原「…。」
白井「誰だね、金原さんを呼んだのは。」
赤沢「白井さん、金原さんには辛く当たるね。」
青山「兎に角だ、光の三原色である青は、外すべきではない。」
緑川「緑は目に優しい。一番長い時間点灯しているのだから、緑で然るべきだ。」
白井「まとまる気配が無いな。」
赤沢「いっそ、二色を足して割って…。」
青山「みなまで言うな。」
緑川「私は一瞬、殺意を覚えましたよ。」
白井「しかし、赤沢さんの言葉も、一理ある。」
青山「邪道だね。」
緑川「まったくだ。こっちは真剣なんだ。」
赤沢「じゃあ、他に解決策があるのかね。」
青山「こうしよう。私が人柱になろう。」
一同「はっ?」
赤沢「あんたにしては思い切ったこと言うね。」
緑川「つまり、それだけの情熱があると。」
青山「ハンパじゃありませんよ。」
白井「しかしね、前回・前々回と赤沢さんにやられているんで、今回は本当に埋めるが。」
青山「…。」
緑川「わかりました。青山さんが本気なら、私にも考えがある。」
白井「なんだね、君まで。」
緑川「即身仏になりましょう。」
一同「即身仏?」
白井「だからね、今回は本当にやってもらうよ?」
緑川「…。」
赤沢「なら、色を緑にして、それを青と呼ぶのはどうかね。」
一同「それだ!」
白井「じゃあ、赤沢さんの意見を採用と言う事で。」
金原「つづいて、支柱の色だが…。」
一同「黙れ。」
こうして信号の「進め」は、青という名の緑になった。
■こうして日の丸の色は制定された
平安時代、鹿児島藩某所。
青山「だからね、海外交易に使うんだから、青にすべきだと言っているんだ。」
赤沢「青山さん、我が日本国は、諸外国から『日出する国』と言われているのをご存知か?絶対に赤にすべきだ。」
黄本「日の光は黄色だろう。」
赤沢「夕焼けは赤だ。この国を、あの美しい夕焼けのようにしたいとは思わないのかね。」
白井「それは火の海にしたいという意味かね?」
青山「あなたが参加しているとは以外だな、白井さん。」
赤沢「まさか日本の国旗を白旗にしろとでも?」
白井「…。」
黄本「アホか。」
白井「キツイね、黄本さん。」
青山「白旗なんか掲揚してたら、あっという間に諸外国に植民地化されますよ?」
赤沢「特にヨーロッパなんぞ、植民地作りが大ブレイク中だからな。」
黄本「流行りにまかせて植民地化されてたまりますか。」
青山「やはり大海原で使用するのだから、青しかないだろう。雄大なイメージを与えなければ。」
赤沢「軟弱だな、青山さん。列強と対等に渡り合うには、力強いイメージで圧倒すべきだ。」
黄本「それじゃ国際紛争に巻き込まれかねん。やはり日本は日の光のように神々しくなければ。」
白井「やはり清廉潔白なイメージを…。」
一同「まだいたのか。」
赤沢「白旗掲げて交易なんぞできるものか。」
青山「『船ごと差し上げます』と言っているようなものじゃないか。」
黄本「フンドシ野郎が。」
白井「黄本さん、今何て?」
赤沢「では、こうしよう。我々は日本国民だ。国旗というのは、我々一人一人の象徴でもある。これから、それぞれが思い描く国旗を描き、その中から決定しようじゃないか。」
青山「なるほど。」
黄本「となると、白井さんは何もしなくていいわけだ。」
白井「私に振るか。」
青山「では、さっそく…。」
赤沢「待ちなさい。」
一同「?」
赤沢「誰がマッキーを使っていいと言いました?己が身の象徴ですぞ?道具を用いてはなりません。」
青山「では、一体どうやって…。」
赤沢「あなた方の中に流れる、日本国民の血があるでしょう。」
黄本「じゃあ、あなたが手本を…。」
白井・青山「わーーーっ!!」
青山「黄本さん、あまり余計な事は言わないでいただきたい。」
白井「あなたはまだ付き合いが短いから知らないだろうが、赤沢さんはホントにやるんだよ。」
黄本「…。」
赤沢「黄本さん、手本が見たいのか?」
一同「いやいや、滅相もない。」
青山「確かに赤は情熱の色。いいかも知れん。」
白井「激しく燃え盛る熱い血潮を国旗に刻めるなど、豪華極まる。」
黄本「今、懐にナイフが見えた…。」
赤沢「では、日の丸の色は赤に決定という事で…。」
金原「日本は、諸外国では『黄金の国ジパング』と呼ばれています。」
一同「いたのか、あんた。」
金原「ここはひとつ、黄金の国ジパングの名を汚さない為にも…。」
一同「黙れ。」
金原「しかしだね、マルコ・ポーロの『東方見聞録』によれば…。」
赤沢「まだ言うか。」
青山「しかも時代錯誤だ。」
白井「時空でも旅してきたのか。」
金原「ならば、せめて国旗を掲げるポールの先に金色の玉を…。」
一同「まぁ、それくらいなら。」
こうして日の丸は赤色になり、ポールの先には金色の玉が付けられた。
青山「だからね、海外交易に使うんだから、青にすべきだと言っているんだ。」
赤沢「青山さん、我が日本国は、諸外国から『日出する国』と言われているのをご存知か?絶対に赤にすべきだ。」
黄本「日の光は黄色だろう。」
赤沢「夕焼けは赤だ。この国を、あの美しい夕焼けのようにしたいとは思わないのかね。」
白井「それは火の海にしたいという意味かね?」
青山「あなたが参加しているとは以外だな、白井さん。」
赤沢「まさか日本の国旗を白旗にしろとでも?」
白井「…。」
黄本「アホか。」
白井「キツイね、黄本さん。」
青山「白旗なんか掲揚してたら、あっという間に諸外国に植民地化されますよ?」
赤沢「特にヨーロッパなんぞ、植民地作りが大ブレイク中だからな。」
黄本「流行りにまかせて植民地化されてたまりますか。」
青山「やはり大海原で使用するのだから、青しかないだろう。雄大なイメージを与えなければ。」
赤沢「軟弱だな、青山さん。列強と対等に渡り合うには、力強いイメージで圧倒すべきだ。」
黄本「それじゃ国際紛争に巻き込まれかねん。やはり日本は日の光のように神々しくなければ。」
白井「やはり清廉潔白なイメージを…。」
一同「まだいたのか。」
赤沢「白旗掲げて交易なんぞできるものか。」
青山「『船ごと差し上げます』と言っているようなものじゃないか。」
黄本「フンドシ野郎が。」
白井「黄本さん、今何て?」
赤沢「では、こうしよう。我々は日本国民だ。国旗というのは、我々一人一人の象徴でもある。これから、それぞれが思い描く国旗を描き、その中から決定しようじゃないか。」
青山「なるほど。」
黄本「となると、白井さんは何もしなくていいわけだ。」
白井「私に振るか。」
青山「では、さっそく…。」
赤沢「待ちなさい。」
一同「?」
赤沢「誰がマッキーを使っていいと言いました?己が身の象徴ですぞ?道具を用いてはなりません。」
青山「では、一体どうやって…。」
赤沢「あなた方の中に流れる、日本国民の血があるでしょう。」
黄本「じゃあ、あなたが手本を…。」
白井・青山「わーーーっ!!」
青山「黄本さん、あまり余計な事は言わないでいただきたい。」
白井「あなたはまだ付き合いが短いから知らないだろうが、赤沢さんはホントにやるんだよ。」
黄本「…。」
赤沢「黄本さん、手本が見たいのか?」
一同「いやいや、滅相もない。」
青山「確かに赤は情熱の色。いいかも知れん。」
白井「激しく燃え盛る熱い血潮を国旗に刻めるなど、豪華極まる。」
黄本「今、懐にナイフが見えた…。」
赤沢「では、日の丸の色は赤に決定という事で…。」
金原「日本は、諸外国では『黄金の国ジパング』と呼ばれています。」
一同「いたのか、あんた。」
金原「ここはひとつ、黄金の国ジパングの名を汚さない為にも…。」
一同「黙れ。」
金原「しかしだね、マルコ・ポーロの『東方見聞録』によれば…。」
赤沢「まだ言うか。」
青山「しかも時代錯誤だ。」
白井「時空でも旅してきたのか。」
金原「ならば、せめて国旗を掲げるポールの先に金色の玉を…。」
一同「まぁ、それくらいなら。」
こうして日の丸は赤色になり、ポールの先には金色の玉が付けられた。
■お伽話職人の苦悩~傘地蔵編~
昔々、ある所に、お伽話職人達がおったそうな。
彼等の生業は、自分達の作ったお伽話を通じて、子供達に道徳や秩序を教える事じゃった。
この日も彼等は、新しいお伽話について話し合っておった…。
職人A「今回のお伽話のコンセプトは、"正しい行いをする者には必ず幸福が訪れる"だ。」
職人C「珍しく戦の匂いがせぇへんな。」
職人D「不様に地べたに這いつくばる敗者と、そのこうべを踏みつけ唾を吐く勝者との血生臭い争いを好むあなたらしくもない。」
職人B「いや、コンセプトだけではわからん。きっと我々の期待に答えてくれるだろう。」
職人D「あなた、期待していたのかね。」
職人C「せやかて、お伽話以外は後世に残されへんで?」
職人A「……草案を聞いてもらえるだろうか。」
職人B「頼む。」
職人C「前のめりや。」
職人A「貧しくも心優しい老夫婦が、ある日、吹雪にさらされる道端の地蔵を不憫に思い、傘と簑をかけてやる。すると、老夫婦の優しさに心打たれた地蔵達が恩返しに老夫婦のもとを訪れるというものだ。」
職人D「…恩返しモノとしての筋道は通っているが、地蔵が心をうたれる不条理をどう解釈したらよいだろうか。」
職人C「思考回路を組み込むワケにもいかんしな。」
職人B「今でいう接客用アンドロイドだったとか。」
職人A・C・D「今?」
職人D「不用意な発言は控えて頂きたい。」
職人A「賢明な何人かは、この話を冒頭から読み返したと思うが。」
職人C「矛盾に焦るのは筆者やで。」
職人B「軽率だった。」
職人D「兎に角だ。何らかの要因で、地蔵に思考能力が備わったわけだ。」
職人B「それが人為的なものなのか、それとも超常的なものなのか。」
職人C「"化けた"に一票や。」
職人D「うむ。自然石にかような回路が発生的に備わるとは考えにくい。」
職人B「すると、この時点でお伽話から怪談にシフトされてしまうが。」
職人A「……話を進めても良いだろうか。」
職人C「聞こか。」
職人A「傘を作って生計を立てている老夫婦が、年越しの為に行商に出向く。だが、傘は全く売れず、老夫婦は失意のまま帰路につく。」
職人B「通信販売がまだそれほど普及していないのだな。」
職人D「たかた社長なら軽く500セットは売ってくれそうだが。」
職人C「せやな。わらじと三点セットにでもしたら、五分で完売や。オペレーター増やして対応せんとな。」
職人D「すると、売り方に問題があったのか。ディスプレイとセールストークで、売上は大きく変わるからな。」
職人C「まず消費者の立場ならんと。」
職人A「…続けて良いかな?」
職人B「面目ない。」
職人A「途中、吹雪にさらされる道端の地蔵を不憫に思い、老夫婦は売れ残った傘と簑を地蔵にかけてやる。すると、老夫婦の優しさに報いるべく、その年の大晦日に、地蔵達が餅や鯛などの食材を持って恩返しにくる。」
職人B・C・D「地蔵達!?」
職人D「一体じゃなかったのか。」
職人B「物言わぬはずの地蔵が大挙して家に押し寄せるのか。老夫婦の恐怖は相当のものだったろう。」
職人D「恐怖のあまり、念仏を唱えたに違いあるまい。気の毒に。」
職人C「念仏唱えたら、地蔵、逆に喜ぶんちゃう?」
職人B「PTSDが懸念されるな。」
職人D「しかしだ。超常的な理由で地蔵が意思を持ち、自ら動いて老夫婦のもとへ向かったのならば、イースター島のモアイ像が自ら動いて山を降ったという伝説も説明がつく。」
職人C「あれも恩返しやったんかい。」
職人D「可能性はゼロではあるまい。」
職人A「もう少しで終わる。皆、辛抱してくれまいか。」
職人C「すまん。」
職人A「地蔵から御馳走を受け取った老夫婦は、幸せな新年を迎える事が出来た。」
職人B「…ひとつ気になるのだが、地蔵達はどうやって食材を調達したのだろうか。」
職人D「まさか蓄えがあったとも思えん。」
職人B「すると、必然的に略奪品という結論に至るな。」
職人C「地蔵が飛び回って店々から食材略奪かいな!」
職人D「阿鼻叫喚の地獄絵図だな。」
職人B「恐ろしい…。」
職人D「…この話のコンセプトは"大義名分が立てば、多少の犠牲は目をつぶる"だったかな?」
職人C「どっかの国みたいやな。」
職人B「それで、作戦名は?」
職人A「……ジャスティス。」
職人B・C・D「だよね。」
~糸冬~
彼等の生業は、自分達の作ったお伽話を通じて、子供達に道徳や秩序を教える事じゃった。
この日も彼等は、新しいお伽話について話し合っておった…。
職人A「今回のお伽話のコンセプトは、"正しい行いをする者には必ず幸福が訪れる"だ。」
職人C「珍しく戦の匂いがせぇへんな。」
職人D「不様に地べたに這いつくばる敗者と、そのこうべを踏みつけ唾を吐く勝者との血生臭い争いを好むあなたらしくもない。」
職人B「いや、コンセプトだけではわからん。きっと我々の期待に答えてくれるだろう。」
職人D「あなた、期待していたのかね。」
職人C「せやかて、お伽話以外は後世に残されへんで?」
職人A「……草案を聞いてもらえるだろうか。」
職人B「頼む。」
職人C「前のめりや。」
職人A「貧しくも心優しい老夫婦が、ある日、吹雪にさらされる道端の地蔵を不憫に思い、傘と簑をかけてやる。すると、老夫婦の優しさに心打たれた地蔵達が恩返しに老夫婦のもとを訪れるというものだ。」
職人D「…恩返しモノとしての筋道は通っているが、地蔵が心をうたれる不条理をどう解釈したらよいだろうか。」
職人C「思考回路を組み込むワケにもいかんしな。」
職人B「今でいう接客用アンドロイドだったとか。」
職人A・C・D「今?」
職人D「不用意な発言は控えて頂きたい。」
職人A「賢明な何人かは、この話を冒頭から読み返したと思うが。」
職人C「矛盾に焦るのは筆者やで。」
職人B「軽率だった。」
職人D「兎に角だ。何らかの要因で、地蔵に思考能力が備わったわけだ。」
職人B「それが人為的なものなのか、それとも超常的なものなのか。」
職人C「"化けた"に一票や。」
職人D「うむ。自然石にかような回路が発生的に備わるとは考えにくい。」
職人B「すると、この時点でお伽話から怪談にシフトされてしまうが。」
職人A「……話を進めても良いだろうか。」
職人C「聞こか。」
職人A「傘を作って生計を立てている老夫婦が、年越しの為に行商に出向く。だが、傘は全く売れず、老夫婦は失意のまま帰路につく。」
職人B「通信販売がまだそれほど普及していないのだな。」
職人D「たかた社長なら軽く500セットは売ってくれそうだが。」
職人C「せやな。わらじと三点セットにでもしたら、五分で完売や。オペレーター増やして対応せんとな。」
職人D「すると、売り方に問題があったのか。ディスプレイとセールストークで、売上は大きく変わるからな。」
職人C「まず消費者の立場ならんと。」
職人A「…続けて良いかな?」
職人B「面目ない。」
職人A「途中、吹雪にさらされる道端の地蔵を不憫に思い、老夫婦は売れ残った傘と簑を地蔵にかけてやる。すると、老夫婦の優しさに報いるべく、その年の大晦日に、地蔵達が餅や鯛などの食材を持って恩返しにくる。」
職人B・C・D「地蔵達!?」
職人D「一体じゃなかったのか。」
職人B「物言わぬはずの地蔵が大挙して家に押し寄せるのか。老夫婦の恐怖は相当のものだったろう。」
職人D「恐怖のあまり、念仏を唱えたに違いあるまい。気の毒に。」
職人C「念仏唱えたら、地蔵、逆に喜ぶんちゃう?」
職人B「PTSDが懸念されるな。」
職人D「しかしだ。超常的な理由で地蔵が意思を持ち、自ら動いて老夫婦のもとへ向かったのならば、イースター島のモアイ像が自ら動いて山を降ったという伝説も説明がつく。」
職人C「あれも恩返しやったんかい。」
職人D「可能性はゼロではあるまい。」
職人A「もう少しで終わる。皆、辛抱してくれまいか。」
職人C「すまん。」
職人A「地蔵から御馳走を受け取った老夫婦は、幸せな新年を迎える事が出来た。」
職人B「…ひとつ気になるのだが、地蔵達はどうやって食材を調達したのだろうか。」
職人D「まさか蓄えがあったとも思えん。」
職人B「すると、必然的に略奪品という結論に至るな。」
職人C「地蔵が飛び回って店々から食材略奪かいな!」
職人D「阿鼻叫喚の地獄絵図だな。」
職人B「恐ろしい…。」
職人D「…この話のコンセプトは"大義名分が立てば、多少の犠牲は目をつぶる"だったかな?」
職人C「どっかの国みたいやな。」
職人B「それで、作戦名は?」
職人A「……ジャスティス。」
職人B・C・D「だよね。」
~糸冬~
■白バイの色は、こうして決定された
19××年、都内某所。
赤沢「大体ね、何で一度、赤に決定したものを穿り返すかね。」
青山「黒だった事もあったね。」
白井「うむ、やはり統一せねば。」
赤沢「だから、赤に統一すればいいじゃないか。」
青山「あんた必死だね。」
白井「目が血走ってる…。」
金原「ならば、いっそ…。」
一同「金色にはしないぞ?」
金原「…。」
白井「なぜ呼んでもいないのに来てるかね。」
青山「しかも時間と会場まで知ってるし。」
赤沢「盗聴器でも仕掛けてるのかね、この人…。」
白井「ともかくだ。私は白に統一すべきだと思う。」
青山「根拠は何だね。」
白井「交通悪を取り締まる重要な役割を担うのだから、清らかなイメージを与えねば。」
青山「清らかと言えば、青に勝る色があるかね。大海原の様な豊かな心で、交通悪を取り締まるべきだ。」
赤沢「甘いな、青山さん。」
青山「何かね。」
赤沢「これからは車社会だよ。道路という道路は車で溢れ返り、一歩足を踏み入れようものなら、容赦なくボロ雑巾にされる。言わば戦場だよ。そんな甘い事言ってたら、殺られますよ?」
白井「殺るか殺られるか…か。」
赤沢「さよう。ヘタをしたら、歩道には死体の山だ。」
青山「オーバーな…。」
赤沢「青山さん、お疑いか?」
白井「青山さん、あまり余計な事は言わないでくれ。赤沢さんの事だ、今にも道路に飛び出しかねん。」
青山・赤沢「…。」
白井「ところで赤沢さん、今後、道交法で罰金制度が制定されるのをご存知かね。」
赤沢「罰金?」
白井「さよう。違反をした者には、罰金が科せられるのだ。」
青山「それは一律かね。」
白井「いや、内容に因って増減するらしい。」
赤沢「世知辛い世の中になったな。」
白井「つまりだね、今後は違反者を取り締まるだけでなく、罰金を科す役目も担うわけだ。」
赤沢「それは…。」
白井「そう、忌み嫌らわれる存在になるのだよ。」
青山「イメージダウンもいいとこだな。」
赤沢「ご近所に顔向け出来ん。」
白井「皆さんに、その覚悟がおありかね。」
青山・赤沢「…。」
白井「では、白に決定と言う事で。」
金原「金を取るなら、金色の方が理に適うのでは?」
一同「帰れ。」
こうして、「白バイ」は誕生した。
なお、本作品は完全なフィクションですので、赤バイ、黒バイ、白バイの誕生時期および罰金制度の制定の時期にズレがあったとしても、イイじゃん♪
赤沢「大体ね、何で一度、赤に決定したものを穿り返すかね。」
青山「黒だった事もあったね。」
白井「うむ、やはり統一せねば。」
赤沢「だから、赤に統一すればいいじゃないか。」
青山「あんた必死だね。」
白井「目が血走ってる…。」
金原「ならば、いっそ…。」
一同「金色にはしないぞ?」
金原「…。」
白井「なぜ呼んでもいないのに来てるかね。」
青山「しかも時間と会場まで知ってるし。」
赤沢「盗聴器でも仕掛けてるのかね、この人…。」
白井「ともかくだ。私は白に統一すべきだと思う。」
青山「根拠は何だね。」
白井「交通悪を取り締まる重要な役割を担うのだから、清らかなイメージを与えねば。」
青山「清らかと言えば、青に勝る色があるかね。大海原の様な豊かな心で、交通悪を取り締まるべきだ。」
赤沢「甘いな、青山さん。」
青山「何かね。」
赤沢「これからは車社会だよ。道路という道路は車で溢れ返り、一歩足を踏み入れようものなら、容赦なくボロ雑巾にされる。言わば戦場だよ。そんな甘い事言ってたら、殺られますよ?」
白井「殺るか殺られるか…か。」
赤沢「さよう。ヘタをしたら、歩道には死体の山だ。」
青山「オーバーな…。」
赤沢「青山さん、お疑いか?」
白井「青山さん、あまり余計な事は言わないでくれ。赤沢さんの事だ、今にも道路に飛び出しかねん。」
青山・赤沢「…。」
白井「ところで赤沢さん、今後、道交法で罰金制度が制定されるのをご存知かね。」
赤沢「罰金?」
白井「さよう。違反をした者には、罰金が科せられるのだ。」
青山「それは一律かね。」
白井「いや、内容に因って増減するらしい。」
赤沢「世知辛い世の中になったな。」
白井「つまりだね、今後は違反者を取り締まるだけでなく、罰金を科す役目も担うわけだ。」
赤沢「それは…。」
白井「そう、忌み嫌らわれる存在になるのだよ。」
青山「イメージダウンもいいとこだな。」
赤沢「ご近所に顔向け出来ん。」
白井「皆さんに、その覚悟がおありかね。」
青山・赤沢「…。」
白井「では、白に決定と言う事で。」
金原「金を取るなら、金色の方が理に適うのでは?」
一同「帰れ。」
こうして、「白バイ」は誕生した。
なお、本作品は完全なフィクションですので、赤バイ、黒バイ、白バイの誕生時期および罰金制度の制定の時期にズレがあったとしても、イイじゃん♪
■ペリー来航の舞台裏
1853年7月7日・浦賀沖
ペリー「…しぶといな。」
水兵1「聞く耳すら持ちませんね。」
水兵2「しかも大砲撃ってきましたし。」
ペリー「届いていなかったが、物凄い形相で撃っていたな。」
水兵1「何かシャーマンみたいのも来てましたけど、我々に呪いでもかけたんじゃないですかね。」
水兵2「呪怨ってやつか。」
ペリー「まさか。あれは『火消し』という日本のジョブのひとつらしい。」
水兵2「やはり、武力行使しかないのでしょうか…。」
ペリー「…。」
水兵1「しかし、何なんでしょうね、あの髪型。」
水兵2「なんだ、いきなり。」
ペリー「チョンマゲと言うらしい。なかなかサイケじゃないか。」
水兵2「階級をあらわす物でしょうか。」
ペリー「いや、日本で最もポピュラーなヘアースタイルらしい。」
水兵1「…武器なのでは?」
ペリー・水兵2「はっ?」
水兵1「先からビームが出るとか。」
ペリー「バカな。それなら我々は、とっくに黒コゲにされているだろう。」
水兵2「見物人も合わせると、かなり人数いましたしね。」
水兵1「我々が下手に出ているからかも知れません。」
ペリー「あれだけの人数に一斉に撃たれたら、ひとたまりもないな。」
水兵2「あまり長居すると、撃たれますかね?」
ペリー「もう十分長居しているが、撃ってくる気配はないが…。」
水兵1「撃つと絶命してしまうからでは?」
水兵2「一生に一度しか撃てないと言うワケか。」
ペリー「そうなると、武力行使は出来ないな。」
水兵2「なぜです?」
ペリー「日本には、切腹と言う儀式があるらしい。」
水兵2「セップク?」
ペリー「うむ。自らの腹を切り、自決すると言うものだ。」
水兵2「何の為に、そんな事をするんです。」
ペリー「日本人は何かミスをすると、そうやって責任を取らされるらしい。」
水兵2「怖ろしい…。うっかりお茶もこぼせませんね。」
ペリー「うむ。一日に何人切腹しているのか、私にも皆目見当がつかん。」
水兵2「つまり、日本人は死を恐れないと。」
ペリー「そうだ。逆上させると、何を仕出かすかわからん。」
水兵2「そんな蛮族と国交を持って、平気ですかね?」
水兵1「インディアンみたいに、我々の頭の皮を剥ぐかも知れませんよ?」
ペリー「そう言えば、聞いた事がある。日本では倒した相手の首を皆に晒す習慣があるとか…。確か、晒し首とか言ったな。」
水兵2「日本人の機嫌を損ねたら最後ですね…。」
ペリー「…うむ。」
水兵1「殺られる前に、殺りますか?」
ペリー「待て待て、分が悪すぎる。ここは最後まで下手に出て、早いとこミッションを完遂しよう。」
水兵2「得策ですね。」
ペリー「ああ。殉職はゴメンだからな。」
こうしてペリー提督は、翌日、親書を日本側に渡し、一目散に逃げ帰った。
そして翌年、調印式に出席した提督は恐怖のあまり失禁しながらも、無事にサインを済ませ、開国に成功した。