情けない話 | とあるモンスターハンターの狩人日記

とあるモンスターハンターの狩人日記

主にモンハンのブログです。
ガンダム、バイク、宇宙的なサムシングもたまに語ります。

道幅の狭い国道317号線。
交通量が多く、人も自転車も危険を強いられる場所。
ふと、路肩に目をやるとそこには堆く積まれた違法廃棄物があり、ただでさえ狭い道路は雑然としていた。

なんだろう?

なにやらガサゴソと音がする。
覗き込んでみると、そこには小さな命があった。

彼、或いは彼女は、一心不乱にゴミを漁り、空腹を満たそうとしていた。

小さい。

私には判断しかねるが、おそらく生後数ヶ月の子猫だった。
その子は、私が近づいた事にも気付かないようだ。
ニャーと声を掛けてみた。
するとその子は、ビクンとこちらを見、しかしまた何事も無かったように食事を再開した。
白地に黒い真ん中分けの模様の猫だった。
片手に乗せるとちょっと大きいくらいだろうか?
顔立ちはどちらかと言えば美猫だった。

私は仕事に戻り、しかしその子の動きを気にしていた。
夕方の大型トラックやバイクが道幅一杯で飛ばしていくすぐ脇で、ゴミ袋を漁る、まだ怖さを知らない子猫が飛び出したりしないか気になって仕方がなかったからだ。

今朝も、道路に横たわる猫を見たばかりだ。

しかしその子猫は、近くを通る車どころか、近づく人間にさえ、まるで関係ない様子で、ひたすら食事に没頭していた。

なんとまあ、動じない猫だ。
私は少し安心した。
これなら驚いて道路に飛び出したりしないだろう。

その時だった。

もう一つ動く影を見つけた。
それも子猫だった。
大きさはほとんど同じ。
黒地に白い真ん中分け。
先の子猫と正反対の模様だった。
兄弟なのだろう。

彼…のような気がする…は、私を見ると少し怯み、様子を伺いながらそそくさと隠れてしまった。
こちらは少し警戒心があるようだ。
私は少し離れた。

すると安心したのか、先の子猫と一緒にゴミを漁り始めた。

出来れば連れて帰って飼ってあげたい。
しかし、仕事中でもあり出先でもあり、連れて帰る手段も無い。

背中を撫でてやりたい衝動に駆られたが、私は我慢した。

彼らは野良として生きている。
飼う覚悟が無ければ、余計な真似をするべきでは無いだろう。

私は下手に人間とふれあい、もう少しで車に挽かれそうになった子猫を見た事がある。
それ以来、どんなに可愛くても我慢するようにしている。

彼らは必死で生きている。
そこに面白半分で手を出したくない。

おそらく…

親猫はすでにいないのだろう。
そしておそらく、ずっとこうして生きてきたのだろう。

それが悲しくもあり、切なくもあり。
己の無力さに情けなくもあった。

〈続〉