清壽(天ぷら) | はまやす たかのぶログ

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濱安 高信が生きていける感謝を綴る日記の様なブログを意識して書いています。

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接客→◎
味→◎
装飾→◎
総合→95点
アレルギーは勿論聞かれますし、店主さんが天ぷらを揚げる時の妨げにならない様に周りのスタッフさんがかなり目を配っているのが分かります。飲み物、大根おろし、天つゆ等、足りなくなるとベストのタイミングで持って来てくれます。私が箸を左手で持つのを見て、掴み易いように右利きの(何時も一緒に行っている人)とは別の方向で天ぷらを置かれました。かなりこれはお客さん一人一人を見ていないと出来ない事だと思います。油を吸った天ぷらの下に敷いてある紙は今までで最高の8回取り替えられました。それ程接客が良く、無駄な話はこちらが話し掛けない限り一切しなく、接客は完全に◎だと思います。
味については最初のあん肝豆腐から深みのある味付けとだし汁でかなり美味しいです。築地市場の直ぐ近くにある為、ネタもかなり新鮮ですが、その中でも仕入れてきてもお客さんに提供できる程では無いと言って出さない物がかなりあります。聞いた所によると栗等は20個茹でて中を割って開けてみて提供できるのは8個のみだったそうです。それ程味に拘っています。塩は讃岐の塩を使っており、どの食材にも合いますが「こちらの天ぷらはレモンで食べた方が美味しいです」や「お塩で食べた方が美味しいです」あるいは栗等は「そのまま召し上がって頂けると味が伝わり良いと思います」と料理についての説明は完璧で妥協は一切感じられません。ゴボウ等はかなり大きい物で先に挙げた栗の天ぷらも珍しいですがホクホクとしていて美味しいです。油で揚げている途中の火加減の仕方が絶妙でホタテの天ぷらと椎茸の海老詰めは、常に一定のラインを超えているコースの中でもさらに驚かされる程の絶品と言えます。藻ずく酢は普通に考えている藻ずく酢と思って食べるとこちらもちょっと驚きます。酸っぱくなくて天ぷらと天ぷらの間に箸休めとしてかなり良いと思います。穴子も天然物とは思えないぐらい脂が乗っており(店主さんに天然物だと確かめました)、味噌汁も桜味噌と八丁味噌を合わせたオリジナルで、デザートのシャーベットはラストの一品としては完全に最高点を付けております。味についても◎です。
装飾については内装はかなり清潔感があります。カウンターテーブルも傷が見当たらず、厨房の中も派手な装飾等は一切有りません。店主さんに揚げ物で汚れてしまうのが常だと思いますがどの様にしてここまで綺麗に掃除しているのか聞いた所、やはり毎日の徹底した掃除が大切だと教えてもらいました。本当にかなり気を遣って掃除をしないと特に天ぷら等は湿度の関係で内装がやられやすいのですが、そこも考慮して壁紙を塗ったり補修したり等、綺麗というよりやはり清潔というイメージがあてはまります。例えると埃1つ無いというイメージです。装飾として置いてあるのは竹内栖鳳の掛け軸が目に付くぐらいで、後は使っているお盆も有名作家(村瀬治兵衛作)の物を使ったりしていますので目でも楽しめる物が一つ一つ使われております。トイレも汚れ1つありません。装飾についても◎です。
95点にした理由は膝当てが無かった事とメニュー表が一切置いてなかった事のみ5点引いてあります。
私の中でこのお店の店主さんと話していてかなり良いなと思った点は、ミシュランガイドの出展パーティーにほとんど星を取ったお店が行く中で仕込みをしないとお客様に良い物を提供出来ないので私は行きませんでしたという言葉が印象的でした。このお店も見ているとどこかアートに近い感覚を受けます。それ程のお勧め店の1つになります。