
本日はマイルス・デイヴィスの過渡期の作品と言われるアルバム。
しばらく人任せだった曲作りも、本作ではマイルスが全曲を作曲してるところからも、御大なりにショーター路線から別の方向へ舵取りを試みた作品と思われます。
しかし、曖昧な路線変更による魅力のない楽曲、新メンバー、チックとホランド共にその曖昧な路線に戸惑うばかり…といった体たらくぶり、そして肝心のマイルスのラッパさえ、御大自身何がしたいのか明確に見えていない為か、もしくは単に不調なのか、全くキレのない退屈な演奏。
正直、失敗作だと思います。
なのに僕はこれを結構聴くんです。
なぜなら、トニー・ウイリアムスのドラムが自由自在に暴れまくっていてメチャクチャかっこいいからです。
きっとトニーは、マイルス自身すら表現する事に手こずっていたこの曖昧な路線変更の意図を、(だからこそ)好き勝手に自分なりのプレイで反映させることが出来ているのでしょう。
そしてショーターもまたトニーと同じ方向を見据えて凄まじいアドリブを聴かせてくれています。
この二人が別次元でプレイしているおかげで、この(あえて言います)失敗作が、それでも新しさを感じさせるシロモノになっています。
マイルスは自分で提示した道のはずなのに、それを表現する新しさを残念ながら持ち合わせていなかった事が証明されてしまったようでマイルスファンとしては寂しいのですが、やはりこの時期のマイルスバンドはバンドを取り仕切るのはもちろん御大ですが、音楽的には、ショーターとトニーの双頭バンドであったし、路線変更が中途半端になってしまった事で逆にこの二人の才能の凄さがあからさまに分かってしまうところにこのアルバムの禁断の魅力があるのでしょう。
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