ヤクルト・スワローズが今日(13日)のディゲームで、横浜ベイスターズ相手に5-2と、ようやく連敗を止めた。その真骨頂が、0-2とリードされていた6回表の攻撃だった。ツーアウト一二塁からオスナのヒットで1点取り、そのあとの満塁で決定打を放ったのは青木。レフトのフェンスに当たる二塁打で、3人がホームベースを踏み4-2と逆転した。まさにヤクルトが二連覇のころに徹底していた「つなぐ野球」が、戻った瞬間だった。

 この試合では「不動の四番」だった村上を野球人生初という二番に起用。これが奏功し、村上は7回表に5点目のタイムリーを打って、今期の初打点を上げた。

 私は解説者ではないから、技術的なことはいちいち言えないが、今年の試合を見ていて感じるのは、どうも溌剌(はつらつ)とした躍動感や、選手がゲームを楽しんでいるムードが感じられない。もっと言えば、どこかチームの堅くなった気持ちが伝わってくる。こうした雰囲気を打破するムードメーカーが出てきてほしい。

 確かに昨シーズンは5位に甘んじ、さぁ今年こそという開幕試合の直後に、山田主将と守護神の田口が登録抹消。意気消沈しないほうがおかしいのだが、そうは言っていられない。こうなったら、挑戦者の精神に立ち返って、ほかのチームの胸を借りるつもりでぶつかって行くしかないのだろう。

 村上も、三冠王を取った過去の状態に戻すことにこだわりすぎているのではないか。確かに選球眼は大切だが、ファーストストライクから打っていく積極性もほしい。どんなバッターでも、振らなきゃ当たらない。球を見過ぎて、カウントを悪くしてから、難しい球を凡打する姿が目立つ。難しいことを考えるよりも、楽天的に「来た球をひっぱたく」という初心に戻れないものか。

 お叱りを受ける覚悟で言えば、先の二連覇は出来すぎ。ヤクルトはほかのチームより図抜けて戦力が高いとは思えない。もし上位に浮上し、優勝に絡んでくるとすれば、本来の家族のように仲の良いチームワークを土台にして、バッターは四球や軽打で、投手は丁寧な好投で、攻守ともに全員がコツコツつないでいく「粘りの野球」しかないだろう。そしてゲームを楽しんで、躍動するプレーを見せてほしい!

                         (2024.4.13 風狂老人日記)