きょうは近くのコミセン(コミュニケーションセンター)で将棋の会に参加した。レギュラー会員の8人が盤を挟んで熱戦を繰り広げたが、もう一人、小学2年生のK君がお母さんとやってきた。 この子は2度目の参加。前回は会員の一人から、駒の動かし方や駒の価値の違いなどを教えてもらい、会で余っていた駒もプレゼントされた。

 今回も会員の一人が指導したが、教えてもらうとき、K君の瞳がくるくる動いて、キラキラ輝いている。頭の中が目まぐるしく働いているのだろう。自分が父親から将棋を教えてもらったのもこのころで、懐かしく思った。

 K君は前回、帰宅したあと、おじいちゃんが興味を示し、相手をしてくれるようになったという。将棋が家族のつながりを強めている。K君は覚えたばかりだが、お母さんに「銀はまっすぐ下がれないんだよ」などと教えるまでになっている。子供の成長はすごく早い。

 将棋はコミュニケーションツールとして、すばらしいゲームだ。駒は千円も出せば買えるし、盤は、その辺にある段ボールにでも線を引けばいい。それだけで、何度でも、何時間でも、いや一生楽しめる。子供の脳の発達にもいいし、高齢者のボケ防止にもいい。

 最近は、都成竜馬五段や斎藤慎太郎王座など「イケメン棋士」が注目され、将棋のルールを知らなくても、対局を見るだけの「観る将」ファンが女性の間で増えているらしい。

 1年ほど前。ある「観る将」の女性が話していた。新聞には必ずタイトル戦の棋譜が連載されているが、「なんで棋譜なんか載せるんでしょう。もっと棋士の活躍を取り上げたり、写真を載せたほうがいいのに」。確かに、将棋専門の新聞や雑誌とちがって、一般の新聞では棋譜とわずかな解説が主流。「観る将」にとっては物足りないのは理解できる。

 ただ、はっきり言えるのは、観るだけでなく、将棋を実際に覚えれば、もっともっと深い世界を満喫できること請け合いだ。私が通っている将棋教室では生徒の3割以上が女性。教室が終わったあとのお茶会では、その女性たちが、将棋の戦型や手筋だけでなく、イケメン棋士の話にも花を咲かせている。

 K君のお母さんにも勧めておいた。「この機会に、ぜひ将棋を覚えてください」と。

                                      (風狂老人日記 2019.7.27)