きょうは将棋教室の日。結果は3回対局して、1勝2敗だった。負け越しはしたが、けっして不満ではない。

 1局目は三段の人と。以前に対局したときは手も足も出ずに惨敗した。しかし今回は、粘って粘って、何とか勝負ができる形はつくれた。

 2局目、3局目は二段の人とだ。この人は初段の自分が「目標」としてきた人の1人だ。これまで10数局指している。最初は歯が立たなかったが、今では3、4局に1度は勝てるようになっている。

 1局目の将棋は、丁寧に指しているうち、7:3ぐらいまで優勢になったが、終盤の入り口で王手飛車をかけられ、一気に逆転された。こういうポカが出るのが、修行の足りない証拠だ。2度目は徹底的に受けているうち、やはり優勢となり、最終盤でミスは出たものの致命傷には至らず、何とか寄せきることができた。全3局とも、自分にとっては手ごたえのある将棋だったと思っている。

 2カ月ほど前、あまりに勝てないので、先生に甘えて聞いてみた。「教室にお邪魔するようになってから1年半。手筋や戦型の本も10冊以上読みましたし、詰将棋もずいぶん解けるようになりました。棋力はずいぶん向上したと思うのですが、どうして勝てないんでしょう」。

 涼しい顔で先生いわく。「みなさん強くなってますからね」。ギャフン!

 その言葉を聞いてから、焦りがなくなった。私は早く二段になりたくて、周りが見えなくなっていた。「棋は対話なり」の名言通り、相手がいるから将棋なのだ。まして自分だけが強くなるわけもない。それからは、勝とう勝とうという気持ちを捨てて、「いい手」「正確な手」を指そうと、気持ちを切り替えた。すると、対局中も、あまりドキドキしなくなった。

 満足顔で帰宅して、Abema TV「将棋」を開くと、永瀬拓矢叡王が豊島将之二冠に勝って、王座戦の挑戦者に決定したところだった。一昨日は、豊島二冠、渡辺明三冠、藤井聡太七段の3人が将棋界のトップスターたちのように書いてしまったが、永瀬叡王もそれに割って入る存在だし、広瀬章人竜王も外せない。これから誰が将棋界を引っ張るのか、見当もつかないのが正直なところだ。でもこの日、私にとって一番うれしいニュースは、銀河戦で羽生善治九段が谷川浩司九段に勝って決勝トーナメントに進出したことである。羽生さんがんばれ!

                                       (風狂老人日記 2019.7.25)