4月10日(水)19時46分。
アップリンク渋谷にやって来た。
佐々木誠監督のドキュメンタリー映画
「ナイトクルージング」を観に来たのだ。
映画「ナイトクルージング」は生まれつき全盲である加藤秀幸さんが映画作りを試みる様子を追ったドキュメンタリー映画。
これが大変面白かった。
全盲である加藤さんがなぜ映画を作るのか、他のものでも良いではないか、ラジオドラマでもいいじゃない、と佐々木監督が加藤さんに問いかけると「ラジオドラマは散々作ったから」と言葉を返す。
加藤さんはジャッキー・チェン、ベストキッド、トップガンなどの映画が好きなんだそうだ。
当然これらは全て音声だけで楽しむ。逆に目の見えない人でも楽しめるこれらの映画は最強なのだなと思う。
ぼくも好きな映画だ。
目の見えない加藤さんの脳内イメージを目の見えるスタッフたちがどう形にしていくか試行錯誤を重ね、触覚、理論、言葉など、あらゆる方法を駆使してコミュニケーションを取っていく。
加藤さんは生まれつき全盲なので色彩の概念がない。理論的に分かっていても視力での経験がない。
「目が見えないという事は真っ黒なんですね」とよく言われるそうだが黒が何色なのかも加藤さんには分からないのだ。
そこで見えない人に色を分からせるためのカラータグが登場する。構造はよく分からなかったが、恐らくタグに印されている点字を指で触って読み込むと色のイメージがしやすくなる?感じかしら?
加藤さんは色だけではなく物の形、人の表情、服装、容姿なども分からない。自分の体型さえも分からないのだ。
そこで自然人類学者のもとへ赴き、人骨の構造から人間の顔の造形などを手で触り、人の顔の作りを脳内にインプットしていく。
加藤さんがこれから作ろうとしている映画はSFアクション。
出演者もオーディションを行なって加藤さん自身が審査して選んでいく。
衣装チェックも抜かりなく全て手で触り、自分がイメージしたものを厳選に選んでいく。
撮影スタッフに自分のイメージを明確に伝えるために登場したのがレゴブロック。
加藤さんがレゴブロックで大まかに形を作り、俳優の立ち位置やカメラの動き、どういう画を撮りたいかを明確にスタッフに伝える。これは本当に良いアイデア!
目の見えるスタッフがレゴを指して「この黒いのがアレなんですね?」
加藤さん「黒かなんか知らないけどコレがアレだよ」と。
加藤さんには黒の概念がないので。
加藤さんの作るSFアクション映画のナレーションを担当するのはなんと声優の石丸博也氏。
そう、ジャッキー・チェンの吹き替えで有名な声優さんだ。
石丸氏のアフレコ録音終了後、加藤さんは「ジャッキー・チェンでした。。。」と感動と感激が押し寄せてしまっていた。
目の見えない加藤さんにとっては石丸博也さんはジャッキー・チェンそのものなのだ。
他にも声優陣では山寺宏一、神奈延年、能登麻美子、ロバート・ハリスなどが出演。
見えるのに見えなかったものが深く見えるようになる、そんな気持ちを抱いてしまう、ドキュメンタリー映画ではかなり傑作の部類に入ると思う作品でした。
ナイトクルージング公式サイト
映画終了後は月一で開催されている「アレアレシネマトーク」になりました。
フォトグラファーの在本彌生さん。
左はラジオDJ・作家のロバート・ハリス氏。
イラストレーターの高橋キンタローさん。
トークショー終了後、加藤秀幸さんに
サインと握手をしてもらいました。
4月11日(木)深夜0時50分。
自宅に帰って夜食。
通常の映画パンフレットよりも1200円と値段が高いが内容が濃くて隅々まで読みこんでしまった。大変面白い。
パンフレットには一線で活躍している映像業界の方達がこの映画に関してのコメントを寄せていて最後に映像作家である帯谷有理さんのストレートで読んでいる側を震えさせてしまう文章で締めくくるというパンフの構成が大変面白かった。
渋谷アップリンクで絶賛上映中。
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2019/53637
イラストレーター ハマダミノルweb→http://minoru-h.com











