パリジェンヌへの道 ①プロローグ | Hamayanと猫 絵を描く暮らし

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猫と暮らすHamayanの制作の日々を綴ります。

  30年程前、一度パリジェンヌになろうと思ったことがある。お腹に大金巻きつけて、ただ一人シャルルドゴール空港に降り立った若き画学生の私。その夜のホテルも決めていない。なんとかパリ市内にたどり着き、敬愛する画家がパリでの一作目を描いたというホテルにたどり着き、そこに二泊。それからは一泊500円の安ホテルに移った。
さあ、今からの一年に満たないくらいの自由。何をしようか。予定ゼロのたくさんの時間。パリの街をただひたすらに歩き回りながら考えた。徒歩でスペインまで行くのもありだなぁ、なんて。でも、バケットを袋にも入れずに持ち、さっそうと歩く女性を見てふと決めた。パリジェンヌになろう。
 インターネットもない時代。情報源は厚さ2センチのガイドブックと出会う人たち。読めない新聞。つたないフランス語を駆使し、2週間後、私は17区に小さな部屋を借りていた。クロワッサンを食べたり、朝市で新鮮な果物を買ったり。


 時は過ぎた。
 アルバイトをしながら、絵を描く人生。
結婚をし3人の息子を育てながら、隙を見ては旅に出る人生。

 あのあとも何度もフランスへ行った。1人の長い旅も。知り合いの案内。友達とも。1歳の息子と。10歳の息子と。

 そして半年ほど前。

 顔見知り程度の5人と1週間の旅に出る計画が持ち上がった。今回は、四十代2人五十代3人70代1人のメンバー。
旅行計画書の表紙には「パリジェンヌへの道」
友達でもない6人。たった1週間のせわしい旅。一人長期旅行の経験がある私にとっては、絵を描く暇も自由もない今回の計画は大変じゃない?と、心配する友人もいた。だけどなぜかワクワクしてきた。この旅は面白くなる。そんな予感がした。きっと、あの頃とはちょっと違う、愉快な出来事が私たちを待っている。
思わず口元が緩む。
私の感は、当たる。

平均年齢52歳
日本の魅力度ランキング46位の県庁所在地に住む6人熟女たちは花の都パリへの道を歩く準備に取り掛かった。



⭐️この旅行記を書くにあたり、実名ではなんなので、メンバーにそれぞれ仮名をつけてもらった。

美智子さん(気品溢れる方なのでメンバーで勝手につけた。)
美代ちゃん(若い頃、浅田美代子に似てると言われていたらしい。少女っぽさを残すしっかり者)
夏生(岡本夏生似の姉御肌。今回の旅の言い出しっぺ。)
厚子(大仁田厚に似てると言われたらしい。そんなことはない。美人さん。とてもユーモア溢れる個性派)
西川さん(T.M.Revolution  に似てると言われたらしいが、これも?控えめで良く気遣いのできる大人)
片瀬(私。実名でも構わないのだけど、せっかくだから。若い頃、かたせ梨乃の運転手にかたせに似ているなぁと言われたから。もちろん、あんな美人ではない。) 
アラン(私の先生。一応フランス人だから有名な俳優さんから。古いか?)


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