NHKの「ニュー試」という番組が面白いのでおすすめですびっくりマーク

 

https://www.nhk.jp/p/newshi/ts/3MWXJL2V4J/episode/te/DQN74VR2R5/

 

破壊的イノベーション力がテーマの回ですにっこり

古舘伊知郎の司会もポンポン言葉が出て、ゲストの言いたいことを的確に掴んでいて賢いなぁと思って調べたら、立教新座中学からの立教大学なんですね。中受なんだ・・。

 

クリエィティブな気持ちを忘れず、日々を面白くいきたいです・・・花

 

それでは昨日の続きです指差し

 

スタースタースター100傑の彼女〜秘めたる思い3️⃣〜スタースタースター

 

開始時刻の19時になった。

大阪勤務の同期と一部東京勤務の同期が15人集まった。

柳茉莉奈もいつも通りニコニコしながら「ほんと忙しいのに幹事ありがとうねぇ、みんなもありがとうねぇ」と言って周りに話しかけていた。

 

英語力を活かして外資系メーカーに転職した鈴木、育休中の加賀、課長になる引き継ぎで忙しい西島も、東京勤務の筒井も出張を利用して駆けつけてくれた。みんな笑顔で柳と喋ったり、ハグしたりした。そんな中、木村だけが無言で俯いているのに気づかず、洋子は乾杯の挨拶をする。

 

「えー、今日は我が社ナンバーワンの癒し系・総務部の石田ひかりことヤナギっちの送別会にお集まりいただき、ありがとうございます」

洋子がおどけて挨拶すると、みんなが口々に「そうや、石田ひかりって入社の時に言われてた!」「今も似てる!」と突っ込む。

「ヤナギっちと仕事ができなくなると思うと寂しい気持ちでいっぱいですが、癒し系ママとして活躍の場を会社から家庭にうつして活躍してくれることとと思います。また同期の絆は永遠ですので、これからも一緒の仲間としてまた今後もこのような集まりの場を持っていけたらと思います。それでは、ヤナギっちの新たな門出とご健勝を祈念いたしまして、乾杯!」

「かんぱーい」

 

乾杯の後、洋子は座ってテーブルの上のスマホを見ると夫からLINEが来ていた。

「さっき悠斗を車で浜学園に送ってきたよ。浜ノート見たら、2回目はケアレスミス以外は全部丸だった(OKのマーク)」

車で送ってくれたのか。電車で一人で行かせるより今日みたいにテレワークしてもらえると助かるなと洋子は思う。

復テ、ベストに乗って、このままVクラスへ行けたらいいのに。。今月末のB表が気になるなぁ・・そんなことを考えつつ、洋子はぐいっとワインを飲み干した。

 

送別会といっても、また会えると同期ほぼ全員そう思っているので、明るい雰囲気で会は進行していく。

みんなアラフォーになっても、それぞれ別の部署になっても、入社時のままで変わらない。

「みんな仕事や家庭で忙しいから、こんな人数で集まるなんて、入社8年目くらいにやったキャリアアップ研修以来じゃない!?」

黒沢アスカが<鶏もも肉のブラーチェサラダ仕立て>を食べながら洋子に言う。

「あの時って30前後か。研修終わりの宴会で由美がさぁ、『私、結婚できないかも』ってテーブルに突っ伏して大泣きしたんだよねぇ。そんな由美が今日は臨月で欠席してるんだなぁ。」洋子は答える。

「時の流れは早いなぁ。私も歳をとるわけだわ。」と、黒沢は笑って言う。

そんな黒沢のルージュ アリュール リクィッドヴェルヴェットが塗られたセクシーな唇に、洋子は見惚れる。

そんなことない。時が流れてもアスカさんはずっと美人。美人には畏敬の念を持って「さん」付けしてしまうわ・・と洋子は思う。日々バタバタでメイクなんて20代の頃と同じものを使ってるけど、私もアップデートしないとなぁと日頃の手抜きを密かに反省する。

 

 

柳はテーブルを何回も移動してお礼を言ったり、スマホで写真を撮ったり、思い出話に笑ったりしている。木村のいるテーブルに柳が来た時、木村はスッと椅子から立ち上がって洋子たちのテーブルにやって来て洋子に耳打ちする。

「次、デザートと思うけど、そろそろ、ヤナギっちの挨拶?その後、俺のリサイタルやっていい?」

ジャイアンの出番だねと洋子は軽く突っ込んだ。柳へのプレゼント贈呈は黒沢が担当し、柳もみんなへの感謝の言葉に満ちた挨拶をした。

 

その後、洋子は立ち上がり、おどけた感じで司会を続ける。

「えー、ヤナギっちの人柄が伝わる素晴らしい挨拶で、感動で胸がいっぱいのところなんですが・・実は今日ですね、なんと!スペシャルゲストがお歌を披露したいと特別に駆けつけてくれています!」

同期の面々が、半笑いしながら「誰やねん」「絶対大したことない前振りが過ぎる」など口々に突っ込む。

こんなふうにふざけられるのも、気のおけない仲間だけだ。

「さぁ、ではゲストの準備?が整ったようなので、お呼びしたいと思います。どうぞー!」

洋子は木村から依頼された通りのフリで、木村の登場を促した。

裏口から外へ出ていたのか、店のドアから登場した木村は黒縁メガネをかけていた。

 

「え・・そのメガネ・・・さっきの歌ってまさか・・」

カンの良い黒沢が、レ マン エルメスを丁寧に塗ったネイルが輝く指先を震わせながら、木村を指差した。

 

続くびっくり