子供の修学旅行などで、1週間ぶりのブログになりました。

大阪の一部や堺はこの季節に修学旅行多めと思いますが、秋の学校もあるんですね。それは

受験近くで大変そうですね。秋は行事多めだし、子供が疲れないようにしたいですね。。びっくりマーク

(すでに中受沼どっぷりの思考です凝視笑)

 

 

 

スタースター100傑の彼女No12〜志望校を聞かれたら〜後編スタースター

 

土曜日のお昼、いつもは夫が野球の付き添いに来てくれていたが、辞めるとなって久々に洋子は

野球ママたちと弁当を広げることになった。

どこにでもボスママというのは存在する。案の定、新6年の同級生・蓮の母からの質問攻撃が始まった。

「ねぇー、悠斗くん、野球上手いのに、なんで辞めるの?勿体無い!!楽しいでしょ、野球?いいチームでしょ?何が嫌だった?」

シャウエッセンではない見た目のウィンナーを食べながら、蓮の母は非難するかのような口調で問う。

茶髪のロングヘアとマットな口紅、タイトなジーンズにねじ込んだ戦うボディ・・そして何より配慮ない質問は、いろんな意味でアラフォーには思えないと洋子は思った。

 

周りのママたちは同情を滲ませた瞳で洋子に注目した。

「楽しいですよー感謝してます。本当はもっと野球、続けたい!だけど、親子共々不器用で〜、両立が難しくなっちゃってー、本当に皆さんのおかげでここまで続けられて感謝ですー。」

努めて明るく洋子は返答した。

いつもチームのみんなに気配りしてくれる優しい小4の緒方健太の母も慌ててフォローに入る。

「ねぇねぇ、そうよね、ほんと、中学受験って大変だもんね!塾の宿題も授業もたくさんあるし!悠斗くん、今までよく頑張って両立できててすごいなって思ってたよ〜!ねっ」

健太ママが周りのママさんにも同意を促す。すると

「悠斗くんいなくなるとうちの子も寂しがるわ〜!また中学入ったら一緒に野球できたらいいなぁ。」

「野球じゃ会えなくなるけど、学校でまた遊んでね。うちの子、悠斗くん大好きだから!!」

周りのママさんもまるで護衛のような声がけをしてくれてありがたい、と洋子は思った。

 

けれども戦うボディを持っている蓮の母は誤魔化されない。

「なんで?大阪なんて北野とかみたいに、すごくいい公立高校あるよ。中学受験する理由は何があるの?なんで高校受験じゃダメなの?」

そ・・そんな蓮⭕️さんのあの言葉みたいな口調で問われても・・洋子は困惑する。

「どこの中学が第一志望なの?灘とか?それとも東大寺?志望校教えて」

いやいや、名前知ってるからってそんな超難関校を軽々しく言わないでよ。それに志望校なんて

なんで言わないといけないの・・というかまだ迷ってるし・・・と洋子は暗い表情になった。

気配り健太ママが、洋子の様子を見て、何か助け舟を出そうと焦ったその瞬間

「さとうくーん、なんで野球やめるんだよぉ。一緒のチームでもっとやろうよぉ〜!」

背後から子供の大きな声が聞こえて、ママさんたちは一斉に振り返った。

 

声の主は健太だった。

「ちょっと、どうしたのよ、健太〜!みんなお弁当食べてる時間だよぉ」

健太ママが慌てて立ち上がって、子供達がお弁当を食べている場所へ駆け寄った。

「だって、僕、さとうくんともっと一緒に野球やりたいもん。」

今度4年生になる健太は、半年前にチームに参加した。悠斗もお兄さんのように色々個別で練習したり

学年を超えて仲良くしてきた友達だった。

「ごめーん。ごめんなぁ。」

困ったようにそして優しさある口調で悠斗が答えた。

「こっちこそごめんね、悠斗くん!健太、悠斗くんが野球うまくて憧れのお兄さんだから、寂しくなっちゃって。ごめんね、お弁当中に。」

健太ママが謝った。

 

「すみません、、私も向こうに行きますね」

と言って、洋子は一瞬で弁当を平げ、さりげなく且つスピーディに弁当箱をバッグに詰め込んで邪気漂う蓮ママ支配エリアから子供達のエリアへ移動した。

健太ママが他の人に聞こえない小さな声で洋子と悠斗にいう。

「実は、うちも新4年のタイミングで上本町の成城石井の近くにあるN能研にこないだから通ってて。それで今度、大阪桐INの学校見学にも行くんです。野球強いし、進学実績も良いし。もし興味あったら、一緒に行かないです?ミライコンパスでまだ空き枠あるみたいだったので。」

え!大阪桐IN!確かこの間ダイヤモンドか何かの中学受験特集で、京大とか阪大、神大の現役合格者数が二桁で気になってた学校・・・行きたいかも。

「その日、浜学園ないし、行きたいかも」

悠斗の一言で一緒に行くことが決まった。

 

午後からの練習の時には、ママさんたちには今までのお礼を言いながらスポーツタオルを配った。監督やボランティアで色々な役割をしてくれていたパパさんたちには美味しいプロテインを配った。

蓮のママはタオルのブランドが好きだったことと、蓮がその日は活躍していたので、すっかり機嫌が良くなり、中学受験について詰問されることはなく、無事にその日の練習は終えられた。

来週は午前中いっぱい参加、と思っていたけど、パパにいって最初に監督と挨拶できたらそれで帰ってきてもらおう・・・と洋子は思った。

 

蓮のママに限らず、なんで中学受験に否定派っているんだろう。悪いことじゃないのにどうして?

それに自分の家庭は中学受験しないのに、なんで志望校を聞きたがるの?

と、帰り道にモヤモヤしていると、健太ママからLINEが来た。

「京橋で待ち合わせして一緒に東西線で住道まで行きましょう〜(笑顔の絵文字)健太も悠斗くんと桐IN行けるのすっごく楽しみにしています(ハート)」

そして、「ありがとう」とおぱんちゅうさぎが両手をあげているLINEスタンプがきた。

「なんでみんな、おぱんちゅうさぎのスタンプなの笑!桐IN行けるのも楽しみになってきた!」

そう、自分の子を信じて、良いと思う道を選択していこう、洋子はそう思いながら、健太ママへの返信を

送った。

 

続く花