なんだかコンタクトがゴロゴロするなぁ・・と思って鏡を見たら
ものもらい(大阪では「めばちこ」と呼びます)っぽい兆しがポツッと
できていました
昔、仕事が忙しくて夜中までやってた時もめっちゃ目に来ましたが・・・
これは・・受験生母のストレスなのかな。
勉強している受験生本人のほうが疲れるのにね
私はただ伴走しているだけなんですけどね・・・
そして、またまた誰が興味あんねん的な「100傑の彼女」No.3の
続きを下に書きます
100傑の彼女No.3<後編>
21時の浜学園前は、お迎えに来たママたちや車がたくさん。
親同士は基本会釈程度であまり話さず、静かにわが子が出てくるのを待っている。
「悠斗、今日の復テどうだったんだろ・・・。」
洋子は黄色の看板の明かりを頼りにごそごそとロンシャンバッグから
「浜学園小6理科学習計画表」のピンクの紙を取り出す。
4つ折りにして、3科目分を愛用の「アナログママの受験手帳」に挟んであるのだ。
「え~と、今日は”夜空の星の動き”が範囲か。悠斗、ちゃんと時間とか日付が変化したときに
どの位置に移動するか計算できてるかな・・・」
洋子は空を見上げる。
Sクラスあがったばかりだし、テスト問題も難しくなってるからベストのるのは無理かな。
いやいや・・結愛ちゃんなんてVクラスだし、100傑だし・・・。
なんだかSクラスでも充分いいのに、100傑の彼女だとつり合いが取れないんじゃないか
って勝手にひけめに感じてしまうな・・・。
「でも!悠斗は、天体は結構得意で、去年は星関係の復テはベストにのっていたので、
本日もどうぞよろしくお願いします」と洋子は心の中で夜空の星に願う。
「さよーならー」
子供たちが続々と出てくる。
母親たちが駆け寄ったり、わが子を見つけて手を振ったりしている。
やがて悠斗が、そしてその後ろから眼鏡の女の子が出てきた。
女の子は列に並んだ子供たちの一番後ろに並ぶ。
親が迎えに来ていなくて、ここから電車に乗る子供たちを
安全のため、先生が駅まで送ってくれるのだ。
「悠斗」と洋子が声をかける前に、悠斗が
「あ!そうだ!花咲~!」
と、列の一番最後に並んだ女の子に声をかけた。
やっぱりこの子が結愛ちゃんだ、と洋子は思う。
「言い忘れてたけど~、こないだの”アレ”ありがとう!めっちゃおいしかったわ!」
悠斗が言うと、女の子は照れ笑いしながら小さくバイバイをして去っていった。
なに、この青春な感じ!!
そして悠斗よ・・・!わが息子ながら胸キュンな爽やかな笑顔だったよ・・!
ひそかに感動している洋子に悠斗は
「あ、母さん来てる!あのさ、また”細道”から帰ってもらっていい?」
と言う。
ええ~・・また復テあかんかったんか・・・。
青春劇にテンションあがったのに~ガッカリ・・・
重い足取りで、悠斗の後ろに続いて洋子は細道に向かった。
「でさ、復テ何位?星、得意分野じゃなかったっけ!?」
細道に入るなり洋子は尋ねる。
こんな言い方はNGだと、さんざん受験ノウハウ本で学んでいる。
わかってる!現実は理想通りには実践できないのである。
洋子は口をへの字に曲げてうつむく。
少しの沈黙のあと、
「ベスト1」
悠斗が静かに言う。
「えっ!?」
洋子が顔をあげると、悠斗はなぜか神妙な面持ちだった。
「え!?1位!?こないだの国語もベスト2だったし!Sクラスあがった
ばかりなのに、すごい!!・・ってなんでそんなに暗い顔!?」
洋子がテンション高く悠斗を揺さぶったが、それには動じず、静かに
「Sやから。」
と悠斗は言った。
そして神妙な面持ちのまま続ける。
「Sの復テで1位、だから。俺さ、これからも復テでベスト取るし、次の公開も頑張って、
Vにあがるようにするわ!
Vは正直めっちゃむずいと思う。だからさ、母さんにも今よりもっと負担かけることになると
思うけど、協力して欲しい!!」
ぎゅっと母の手を握る息子よ・・
やっぱり男の子はいつまでもかわいい・・
「わかった!!こっちもVについての情報集めるわ!丸付けもファイリングも任せて!
あと、勉強スケジュールも、佐藤ママみたいな必殺ノートとかも作りまくるから、
一緒に頑張ろう!!」
洋子はそう言って固く両手で悠斗の手を握り返した。
続く