浜学園が好きすぎて?、浜学園にちなんだ小説も書いていくことにします凝視

(なぜ?)

関西地区の受験は関東より早くて1月です。前受けするなら12月から入試を受けます。

もう1年ないのですが、学校では5年生のため、なんだかこの2~4月の間は

ちょっとだけモラトリアム気分。。。にっこり

 

ですが、母は毎日受験のことを考えたり、受験本買ったり、中学受験

2024年や2025年組の皆様のブログ、インスタ、YOUTUBE、Twitter(Xという名称がなじまないアラフォー)を見ています。

 

会ったこともない赤の他人なのに

「山神くん、元気かなぁ・・山神くんなら素敵な人生歩めるし、パパもすごい。パパみたいな

声掛けはできないなぁ、むしろ私のメンターになってほしいわニコニコ

など想いを馳せたりしています。

 

不安も大きく、もう伴走いやだ無気力と一人で走り出していきたくなることもあります爆笑

(走る体力もないし、すぐ筋肉痛になるので、逃げるときは電動アシスト式自転車使用がいいですが・・・)

 

現実逃避のひとつとして、浜学園物語を書いていこうと思います(求められていない)

 

スタースタースター浜学園物語「100傑の彼女」スタースタースター

 

2月の風は一段と寒く、21時過ぎともなると空もすっかり葡萄色に変わっていた。

セールで買ったマフラーをぐるぐる巻きにしながら、浜学園の黄色の看板の前で

洋子は息子のテストの出来をぼんやりと予想する。

悠斗・・今日の復テ、また平均以下かなぁ。アイツ、ほんと、国語が酷語だしなぁ・・・

 

子供たちのにぎやかな声がした。マスタークラスの授業が終わって出てくるようだ。

「ああ、寒い中、お疲れ様です」

浜学園のドアが開いて、にこやかに事務の女性が声をかけてくれた。

いつもきちんとしていて、子供たちを笑顔で見送ってくれる。

信頼できる塾の事務員さんという感じだ。

「山田さん、この間は悠斗の水筒の忘れ物連絡、わざわざありがとうございました」

洋子は礼を言う。

「いえ、悠斗くん、まだ野球、続けてるんですね?大きい水筒そのままお持ちだったから。

Sクラスに上がって、いよいよ受験学年になって、お勉強との両立大変なんじゃないかなって

思ってたんですけど、今日の復テ、ベストにのったみたいですよ」

「え!」

洋子が驚きの声をあげると、ちょうど悠斗がドアから出てきた。

日焼けして、背も高めで、涼やかな目元がキリッと賢そう。

親のひいき目なしに見ても、他の男の子よりイケメンだわ、と洋子は思う。

笑顔で軽いお辞儀をして山田が去る。

ちょっと!悠斗、すごい~!国語なのに、Sクラスの復テで、もうベストのったん!?

洋子は大声で点数と順位を聞こうとしたが、当の悠斗はなぜかそわそわした様子で、

「ちょっと、早く!”細道”から駅行こう!」

といって洋子のコートを引っ張った。

 

細道。

復テが悪かったり、授業中にあてられて答えられなかったり、男子同士で公開テストの

偏差値を言い合って惨敗したり・・・

何か落ち込むことがあると、大通りではなく浜学園の子たちが帰宅の道として

選ばないちょっと遠回りになる暗く細い道で帰りながら、その日の出来を

聞くのが二人のならわしだ。

何回この細道で、私が怒って問い詰めて、悠斗が泣いたりすねたりしてきたんだろう。

でも今日の復テはベストのったんだよね・・・?

不思議に思いながら、洋子はとりあえず悠斗の指示に従う。

 

”細道”に入り、周りに黒と黄色の象徴的なバッグを背負った子たちがいないかを

きょろきょろと確認してから悠斗が言う。

「あのさぁ、今日さぁ、クラスの女子がさぁ、くれてん・・」

そういって差し出したのは、ハート柄の透明袋とふっくらと可愛い鳥のシールで

ラッピングされた・・・

「悠斗・・!これって!?ま、ま、まさか・・!!」

ドラマのセリフのように洋子が大げさにいうと、悠斗は屈託のない笑顔で

「なんかさぁ、クラスの女子がさぁ、くれてん。バレンタインっぽいわ」

と言った。

 

「もうさ~、復テの点数とか順位とか平均点との差とか聞きたかったけど

バレンタインのチョコを初めてもらったよ報告で全部飛んだわ!」

洋子は帰宅した夫の翔一に開口一番報告する。

「いま悠斗、風呂入ってるの?へぇ~。やるなぁ。それがこれ?いいやん、

上手にハート型にして、なんかかわいくデコってるやん」

もぐもぐと遅い夕食を食べながら、翔一はテーブルの上の手作りチョコの袋を手に取って眺める。

「まぁ悠斗、イケメンやし?野球上手いし?しかも、なんてったってあの浜で、みんなが本気で

勉強しだすこの新6年のタイミングで、HからSクラスに上がったし?

モテて当たり前の息子やで!!」

本当に嬉しそうにくしゃっと笑った悠斗の笑顔にママも胸キュンやで!

洋子のテンションはあがる。

「ひどいほうの”酷語”も卒業できそうやし!?」

「そう!まぁそれは、私があのぶ厚すぎる『知識分野の達人』を拡大コピーして、

赤シートで隠す用にサラサのオレンジペンで漢字書きまくって

協力したおかげやで。もう私、佐藤ママに弟子入りしようかな!」

「灘から理Ⅲいっちゃう?」

夫婦で顔を見合わせて大爆笑。

 

楽しい。中学受験はつらいものと思っていたけど、今のところ、まぁまぁの成績と

自慢の息子と仲の良い夫との生活は続いてる。

バレンタインにチョコをくれた浜学園の彼女の顔、今度お弁当持っていくとき

チェックしよう~と洋子はわくわくした。

 

続く笑