書き出し小説 41〜50日目 | enjoy Clover

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三つ葉を伝える路上詩人じゅんぺいのブログです。
日常の喜びを中心に日々の出来事を書いていきます。

書き出し小説 41〜50日目


41日目


その女はいつも必ず3回席を変える。そして彼女がいた席に次に座った客は、みんなレモンティーを注文する。ここの喫茶店に通う者の中では有名な話だ。


42日目


目的もないのに本屋の中を延々と見て回る。普段見ないジャンルの本まで気にはなるのに、どれも買うまでいたらない。これが僕が自分に行き詰まっている時のサインだ。


43日目


どうやっても解明できない謎というものは、解明したところで人々の生活に何か変化が起こるということはない。つまるところ、私の仕事なんてものは誰にも貢献できていない、ロマンという名のただの道楽に過ぎない。


44日目


とべばまわる。その言葉の意味を理解するのに十年かかった。今夜は、僕は飛ぶ。


45日目


生まれる前に男になるか女になるか選べと言われて、鳥になりたいと言ったら今の私になった。


46日目


世界中に背中を向けてでも、仲間と向き合わなければ。私は指揮者だから。


47日目


日常生活に支障はない?ふざけるな。俺とお前の日常を一緒にするんじゃねえ。俺にとっては、あの命懸けの闘いが日常なんだ。


48日目


親指の代わりなんていくらでもある。そう言って彼はポケットから消しゴムを取り出した。


49日目


今ではその事を知る者は少ないが、パチンコの起源となったものは元々神々の儀式だった。


50日目


世界を変えるのに剣もペンもいらない。ポッキー一本あればそれで十分だ。


#書き出し小説