ホリスティック医療の可能性として、「触法精神障害者」に対する全人的ケアが、今後の精神医療と、犯罪者の更生に大きな役割を果たすことが期待できるとともに、我々、代替・相補・補完・伝統療法士が担う役割について、幅広い視野から、彼らに「癒し」を提供することの重要性を感じます。
人間の本質を感受し、メンタルヘルスに携わるセラピストひとりひとりの癒しの技術向上とその取り組み姿勢が、今後の喫緊の課題になると思います。
このような病院や施設が増え、ハード面が充足しても、実際に関わる人対人の在り方のソフト面が原理原則に適っていなければ、
心の病を根本的に快復することはできないと思います。
我が国は、犯罪者の更生の土台を「矯正」に置いています。
心は目には見えないもの。歯の「矯正」のような、強引に正しい方へ真向かわせるかのような教育の在り方が、目に見えない心を正しい方へ真向かわせる上では、そもそも本質的に理に適っていないのではないかと思います。
こころの「治療」についても同様に言えるのではないでしょうか。
(続く)
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触法精神障害者とは?
犯罪行為をしながら刑事責任を問われない精神障害者
犯罪行為をしたとしても、精神病などの理由で善悪の判断ができないと認められる心神喪失者は、刑事責任を問うことができない。
起訴前の捜査段階で、被疑者の言動からその刑事責任能力が疑われる場合、精神鑑定を受けさせる。鑑定の結果、心神喪失の状態にあると判定されれば、不起訴になる。また、裁判で刑事責任能力がないと判断された場合にも、無罪が言い渡される。
このような触法精神障害者は、精神保健福祉法の手続きに従って処遇されている。自分を傷つけたり、他人に危害を加えたりするおそれがあると判断されれば、都道府県知事によって指定病院に入院させられる。この措置入院は、自傷他傷のおそれがなくなるまで続く。
2001年6月、大阪府にある小学校で、精神病院を出た触法精神障害者が児童らを殺傷する事件が発生した。この事件をきっかけに、触法精神障害者の処遇のあり方が論議され、再犯を防止するための対策を制度化する動きが始まった。しかし、事実上の保安処分となることから、社会正義の実現と基本的人権の尊重が真っ向からぶつかり合っている。
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