千歳マラソンで痛めた右脚は少しずつですが回復しています。ウォーキングから始めて徐々に距離を伸ばし、8月に入ってようやく10kmのゆるジョグができるようになりました。

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ところで小児がんの治療成績が向上するにつれ、病気を克服した人たちが増えています。

一方長期にわたる治療を勝ち抜いた子どもたちは、やがて成長して進学、就職、結婚、出産など、人生のさまざまな局面に直面することになります。

思春期・若年成人を表す英語(Adolescence and Young Adult)の頭文字をとって、AYA世代と呼んでいますが、小児がんを経験したこのAYA世代の人たちが集まって、様々な経験を話し合い、支えあうことを目的としたプログラムが神戸で開かれ、僕も和歌山から白血病を克服した2人の高校生を連れて、病院の臨床心理士さんと一緒に参加してきました。

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以前にご紹介した、神戸のポートアイランドにある「チャイルド・ケモ・ハウス」。

(本年310日の項参照)

こちらは20年来の友人でもある、事務局長のTさん。

Tさん夫妻は、お子様を神経芽腫という小児がんで亡くされ、以来小児がんを治療する理想の病院作りを目指して活動してきました。

そして昨年ついに、こんな素敵な施設が完成しました。

ここで15歳から39歳のAYA世代のがん経験者が集まって、ピアサポートプログラムがありました。ピアは仲間、サポートは支援という意味で、ピアサポートは「仲間による仲間への支援」を意味します。

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午前中はプロのトレーナーによるストレッチと

軽い運動の指導がありました。

昼食のあとはコミュニケーションスキルに関する講義を受け、

お互いコミュニケーションの練習をするうちに、次第に打ち解けてきます。

 

小児がんを経験した先輩による就職体験談が披露され、

 

その後のワークショップではお互いの体験談やかかえる問題について話し合うようになりました。

 

普段はそれぞれ誰にも話すことなく、理解してもらうのも難しい問題をかかえて悩んでいる者同士が集まって、話し合い、考える。これがピアサポートです。

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連れて行った高校生男子に感想を聞くと、「別に」「普通」とのことでしたが、親でも先生でもない身近な境遇の大人との交流は、彼の人生を考える上でよい刺激になったと思います。