今まで生きてきた中で、最強の力となるのは誠実さでした。どんな策や方法も最終的には誠実さに負けるというのが私の体験です。
 ただ、場合によって時間はかかることはあるようです。その誠実さが本当に伝わるには。
 昔から「正義は必ず勝つ」という言葉を何度か聞いてきました。ここでいう正義とは、理論でもなければ、法律でもなく、人間として正しいことです。
 京セラやKDDIの創業者、稲盛和夫氏は、経営者として素人だったのに事業で成功し続けてきた理由として、そのことを様々な機会に強調されています。
 結局、事業であれ、政治であれ、教育であれ、人間社会における人間のための営みですので、判断基準はお金、名声、地位、権力を得るためではなく、人間として何が正しいのかで判断すれば間違いないと確信します。
 逆にどんなに合法的、理論的、効率的、効果的であっても、人間として正しくないことを判断し実行したならば、時間の問題で必ずおかしくなり、行き詰ります。私はこのことを大失敗の体験として何度もしてきました。弁護士、会計士、コンサルタント等周りの人から一番いい選択肢として推薦され、そのまま受け入れてしまったときはまさにそうでした。
 経営者の端くれである私は、経営においても、何よりもかかわって頂いている人間(社員、お客様、取引先様等)を最優先に大切にし、人間として最も正しいと判断される意思決定をする「人間主義経営」を微力ながら、色々なところで紹介させて頂いています。
 私は思うのです。本物の経営者は人間力が抜群なのですが、それは数々の経営の危機に直面し、いつも人間を最優先し、人間として正しい道を選んできた結果の産物なのだと。
 ですので、そんな人間主義経営を貫いてきた本物の経営者たちは、何をやらせても、その人間力で奇跡ともいえる凄い結果を出し続け、かかわる多くの人に夢、希望、感動を与え続けるのでしょう。
 超凡人である私も残された人生で、人間としてどれだけ正しいことを間違えず選べ、実践できるかが、まさに大きな課題であり、挑戦となるでしょう。