これは、プロフェッショナルのための16条件の基本中の基本です。
 中にはこれが理解できない人もいるでしょうし、若い人が拒否反応を示すのではと心配する方もいるでしょう。
 しかし、「仕事に人生をかける」ことに抵抗を感じているうちは、プロフェッショナルから一番遠い存在にある、『生き残る権利』を放棄していることになります。
 何も、「仕事に人生をかけろ」=24時間働けということではありません。仕事以外に費やす時間も全部仕事に繋がっていることに気づかなければダメ、ということなのです。
 仕事に人生をかけていない人、仮にAさんとしましょう。Aさんにとっては、仕事はあくまでもいろいろな活動のうちのひとつであり、収入を得るための手段としか考えていません。つまり、Aさんは仕事を本気でやっていない、本当の仕事の楽しさ、そして仕事を通してどれだけ人間的に成長できるのか、生きていく上でどれだけ意義が深いかということを理解できていないのです。そんな中途半端な姿勢では、仕事で結果など出ません。
 そしてAさんは仕事がうまくいかないからと、仕事以外の違う部分に人生の楽しさを求め、さらに仕事から逃げてしまう…。これではやはり結果が出ません。この「結果が出ない」魔のサイクルから抜け出せないうちは、いつまでたっても人間として成長できないし、ビジネスパーソンとしても成長できないのです。ですから、社会に出てもはたから見ると評価されない人になっているのです。
 私は今まで多くの方に「仕事というのはあなたにとってどのようなものですか?」とお聞きしてきました。すると、成功しているすべての人が「仕事イコール人生だ」とお答えになったのです。成功といっても、大富豪や有名人になったわけではないですが、社会的にある程度結果を残している若い人から年配の方まで、みなさん、仕事に人生をかけるというのは生きる上での大前提だとおっしゃったのです。
 いまさらながら、その中のお一人、あるコンサルタントの方の考えの正しさに気づかされます。彼と私は次のような話をしました。
「時間で割ると、仕事をしている時間は大体3分の1、眠る時間が3分の1、そのほかのことをやる時間が3分の1になりますね」
 と私が言うと彼は、
「まぁ、平均を取ればそういったスケジュールになると思います。しかし、仕事は人間が生きる中で、もっとも大事であって、もっとも学べて、もっとも影響を受けることです。ですから、私は仕事イコール人生です」
 と答えたのです。
 彼はスキーもやるし、プライベート・ジェットも運転するしで日常生活をすごくエンジョイしています。ですから私は彼のことを、仕事はほんの一部で、プライベートも趣味も別々に考えている人だととらえていました。ところが、
「プライベートや趣味でエネルギーを使い、頭を使い、エンジョイするからこそ仕事も生きてくる。仕事とプライベート、趣味は切っては切れない関係にあり、そこに仕事がなければなんの意味もない活動になってしまう。あくまでプライベートや趣味はプラスアルファ、それが必要ない人もいれば、必要な人もいる。仕事で結果を出す、仕事を楽しくしていくためのひとつの手段ですよ。やはり中心は仕事です」。
 彼をはじめ、多くの人が同様の意見であったことには、非常に驚きました。自分自身もそう考えてはいたのですが、それは「自分が仕事人間だからだ」と思っていたのです。ですから、いろいろなところで執筆したり、話したりする際にも、遠慮がちに「仕事もあり、プライベートもあり、趣味もあり…勉強、学ぶこともある」と全部分けて考えていたのですが、結局すべて仕事に繋がるのだと気づきました。仕事がすべてだと。仕事とは人間的に成長する活動であり、職場はその現場であると理解できたのです。
 職場は社会の縮図です。大きな社会の縮小版が職場。職場で結果を出せない人は社会でも結果が出せない、仕事を楽しむことができない人は、社会でも楽しむことができないのです。つまり、仕事は社会とは切っても切れないもの、場合によってはイコールであると、成功者のみなさんは考えているのです。ですから「仕事に人生をかける」ということを聞いて、疑問に思う人は仕事に十分満足していない、楽しめていない、結果を出せていない、チャレンジできていないという証拠です。一番目の前で大事なことを楽しめていない、結果を出せていないということは何をやっても楽しめない、結果を出せない…したがって、人生を楽しめない。極端なことを言えば生きている価値がない、ということになるのです。
 ですから、仕事というものの定義をどう捉えるかが肝心だと思います。
 単純に言ってしまうと仕事はお金を得る手段ですが、本当の意味での仕事は人間的に成長するためのツールでもあり、人生そのものだと考えるべきなのです。なぜかと言えば、仕事で結果を出すためにはいろんな面での総合的な人間力を要求されます。組織に属する人はもちろん、フリーライターやカメラマン、イラストレーターなどフリーランスと呼ばれる職業の人でもいろんな方の協力を得てやらないと仕事が完成しない、一人だけでは結果が出ないのです。仕事を通して我慢したり、葛藤したり、自分の行動を改めることで人間的に成長し、その結果、仕事でも成果が出て報酬をもらう。これによって人間は成長していくと思うのです。成長できなければ、報酬は得られないのです。生きていく上で、仕事が一番厳しいでしょう。例えば、学校では勉強ができなくても許されますよね? でも社会では、仕事ができなければ生活していけません。コンビニエンスストアのアルバイトにしても、居酒屋のウェイターやウェイトレスにしても、ホテルの受付スタッフにしても、お客様のニーズを読んで喜ばせること、やるべき仕事をやって成長していかなければ報酬は得られないのです。
 どうでしょうか。人間として生きていく上で、報酬を得ないで生活できると思いますか。一生誰かに養ってもらうわけです。ちなみに主婦の方は違いますよ。主婦は家事をやり、ご主人やお子さんのサポートをしています。これは立派な仕事です。ただ単に、会社に勤めていて、自動的に毎月給料が振り込まれるという直接的報酬なのか、間接的報酬なのかの違いがあるだけです。また主婦は夫の仕事がうまくいくように支えており、まさにそこにかけているのです。自分の人生をかけている主婦業は立派な仕事であり、主婦は仕事のプロだと思います。
「仕事に人生をかける」=仕事が人生そのものととらえて成長していく
 これが、プロフェッショナルの大前提なのです。

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