米国のビジネススクール受験に失敗して、失意のどん底にいたとき、出会ったドイツ系アメリカ人夫人、ステファニー・テンジーさんに、困っている人や悩んでいる人を励ましたら、人生が変わると言われました。でもいざ実践しようとすると難しい。そもそも異国の地である米国で困っている人や悩んでいる人を見つけるすべがありません。
 それから数日たって通りを歩いていると、目の前に二人の男の子が暗い顔をしてうずくまっていました。二人とも10歳くらいで、そのうち一人は右足がありません。彼らは近くの超貧困地域、ベトナム難民村に住んでいるとのこと。右足のない彼は言いました。
「僕の右足はベトナムで地雷を踏んで失くし、それからずっと高熱で体中が痛い。両親と兄弟は皆、目の前で外国人兵士達に銃殺された。僕だけ逃げて助かり、アメリカに来られたから、殺された家族の分も頑張って生きてきたんけど、学校には行けないし、仕事もない。生活できないから、もう自殺するか、死ぬのを待つだけ……」
 私は愕然と……。それまで自分がどんなに不運で不幸か、まるで犠牲者であるかのように思っていました。しかし、まだ小さな彼の悲惨な体験や苦労を知ったとき、なんて自分は恵まれていたんだろうと痛感したのです。
 それから、私はベトナム難民村に毎日通い詰め、たくさんの困っている人、悩んでいる人に会って話を聴きました。それで気付き決意したのです。
 〈自分は、この平和な時代に平和な国、日本で生まれ育った。実はすごく幸運だったんだ。地球上では、その日の衣食住で困っている人は数え切れないほどいる。これからは、テンジーさんが言われるように、そんな人のために、残りの人生を使おう。そのために、仕事を成功させ、人間として成長し実力もつけて、彼らを助けられる立場の人になるぞ!〉
 私は生涯の誓いをしたのです。その志を持ち、努力し始めたとき、私はそれまでに得たことのないパワーと喜びと幸せを感じました。このとき、幸せかどうかを決めるのは、境遇や環境のような客観的なものではなく、主観である自分の心だけだと確信したのでした。

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