米国の経営大学院(ビジネススクール)受験で失敗した後、出会ったドイツ系アメリカ人のおばさん、ステファニー・テンジーさんに、私がいかに感謝の心がなく、傲慢で自己中心的かを厳しく指摘されました。それで私はテンジーさんにすがる思いで助言を。
「成功するためには、また幸せになるためにはどうしたらいいのでしょう?」と。
 テンジーさんは言いました。
「まず世のため人のために生きると決めなさい。そして、人の相談に乗り、励ますこと」
 ホームレス、ジョブレス、不法滞在だったことから、とても人の相談に乗ったり、励ましたりはできないと思った私は、テンジーさんに言い返しました。
「相談に乗ってもらい、励ましてもらいたいのは私の方。今の私には何もありませんから」
 テンジーさんは、厳しく言い放ちました。
「だからあなたはダメなの! 成功も幸せもあなたにはまったくないわね。何もないときに何をするかで、その人の人生や価値が決まるの。成功したかったら、幸せになりたかったら、私の言うとおり、やってごらんなさい。相談に乗る余裕がなかったら、困っている人、悩んでいる人の話を聴いてあげるだけでもいいから。きっとあなた自身が大きく変わるわよ。騙されたと思ってやったごらんなさい! 生き方が変わり運もついてくるから」
 テンジーさんの確信に圧倒された私は観念しました。
「わかりました、やってみます。ただ、結果が出なかったときはどうしましょう?」
「先のことは心配しない。とにかく今は言われた通り全力でやってみるのよ。うまくいくかどうかを心配しながらやっていたら、気が入らず、中途半端になるからダメ! 全力でやれば、結果は必ず出るから」
「テンジーさんには負けました。もう何も考えずに、困っている人や悩んでいる人の話を聴きまくります」
 結局困っている人や悩んでいる人の話を聴いていると、放っておけず、私は一生懸命相談に乗り、励ましているのでした。でも、彼らが元気になっていくの見て、私自身が元気になり励まされる感じで、とても幸せを感じたのでした。

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