まず成功すると決める


 成功者とそうでない人との決定的な違いの一つは、何もない時に、また大変な状況の時に、まず成功すると本心で決められるかどうかだと思います。

 実際に、ビジネスで世界的に大成功者として評価を得ている人々、例えば、サム・ウォルトン、ビル・ゲイツ、マイケル・デル、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスなどは皆、ビジネスを始める前の何もなかった時から、自らを信じ、必ず成功させることを決めていました。当時は何の根拠もなく、です。

 あまりにもやる気満々だったのです。失敗を恐れないどころか、失敗覚悟で将来起こりうる困難や試練を乗り越えていくことも決意していたのでしょう。


「絶対に成功すると決めて、努力し続ければ、いつか必ず成功する」ということは、私の持論です。100%自信がある人生哲学でもあります。つまり、「努力は報われる」のです。

 勿論、世の中そう簡単ではありません。努力してもすぐに結果がでないことも多々あるでしょう。

私もオリンピック選手になるという夢がありました。ですから、小学1年生から10年以上競泳を徹底的にやり続けたのです。しかし、結局オリンピック参加どころか、日本選手権の決勝戦すら出れない惨めな結果となりました。

でも、人間として多くの貴重なことを学ぶことができ、それが今のビジネスに物凄く生きています。例えば、負けても負けても這い上がるだけの根性、素質や能力のない人間への思いやりや気配りなどです。

逆にそれらがなければ、私は独立することすらできなかったことでしょう。ですから、「努力は将来必ずどこかで報われる」のです。

その言葉は、何もないところから、大成功した数々の友人達の実体験を通してみても、痛感できるのです。

「成功するまでやり続ければ、必ず成功できる」

「絶対に成功する方法は、成功するまでやり続けることだ」

 これらも、成功者達がよく言う言葉です。確かに成功した人には、成功するまで徹底してやり抜こうとする執念があります。一度や二度の成功では、ラッキーな面はありますが、成功し続けるためには、この執念が必要になります。


なぜ、ほとんどの人は、成功すると決められないのでしょう? 

それは、自分を信じていないことが大きな理由だと思います。要するに、成功すると決意したとしても、「どうせ自分ではできっこないだろう!」と内心思ってしまうわけです。それでは、本物の決意とは言えません。

本物の決意をするということは、何がなんでもやろうとする意気込みがポイントになります。できる、できないという判断ではないのです。「絶対に石に食らいついても何が何でもやるぞ!」という意気込みが欠かせません。

中途半端な気持を排し、強い強い願いと決意が必要です。それが執念となって力を発揮するのです。

色々な人の成功体験を聞いてきて思います。その強い願いで、決意をされた時、実は既にもうほとんど成功しているのです。

「成功を決めるのは、大確信で決意する胸中にあります。たとえ、その時何もなくても、成果はすぐに出なくても、成功の因は既にそこにあるのです」

 ホームレス・ジョブレスという最低状態から起業して、3年間で売上700億円の売上と90億円の利益を出すほど短期間でビジネスを育てた私のアメリカ人の友人が言ったことです。彼が、当時の株主総会で堂々と語っていた、この確信ある言葉は、今でも脳裏の焼きついています。

 確かに彼は起業直後、物凄い気迫で会う人会う人に言い続けていました。

「これがビジネスにおける私の最後のチャンスになるでしょう。ですから、絶対に成功させなければなりません。ぜひ、お力をお貸し下さい。必ず成功させて見せますから」

 その時、いっしょに聞いていた友人で世界最大の航空会社、アメリカン航空の最高経営責任者であったロバート・クランデル会長は言いました。

「彼はどんなことがあっても、きっと成功させるに違いない。たとえ、会社が倒産することがあっても。彼なら何度も何度も成功するまで挑戦し続け、最後には大成功を手にすることになるでしょう」と。