「キャッシュフロー経営」ができない会社は、すぐに潰れる


 21世紀の「ベンチャー戦国時代」に入った今、経営で最も気をつけなければならないことを理解しているだろうか?

 それは、キャッシュフローだ。

 拙書「凡人でも上場できる! 起業の黄金ルール」(日本実業出版社)のルール63「キャッシュ!キャッシュ!キャッシュ!」で、上場を目指す上でも、キャッシュフローを向上することがカギになることを説いた。

キャッシュフローは、企業にお金が出たり入ったりする流れのことをいう。キャッシュ

フローの合計は、次の3つのキャッシュフローから構成される。


(1) 営業キャッシュフロー

(2) 投資キャッシュフロー

(3) 財務キャッシュフロー


まず、営業キャッシュフローとは、会社の本業(主要な活動)によって獲得したお金を示す。
 次に、投資キャッシュフローとは、投資活動によるもので、設備投資(工場建設・機械購入など)や、余剰資金の運用(企業買収・有価証券購入など)の支出、売却によるお金の増減を表す。固定資産を売却する場合の土地建物などの売却代金もこの区分に表示される。代表的な項目は有形固定資産の取得(設備投資額)だ。
 これがマイナスになっていたら、設備投資や有価証券購入等にお金を使ったことであり、プラスになっていたら、固定資産や有価証券を売却し、お金を得たことになる。成長段階の企業では、投資キャッシュフローが大きく、マイナスが続くこともある。

最後に、財務活動によるキャッシュフローとは、営業活動と投資活動を維持するために必要とする資金を、どの程度調達し、返済をしたのかを示す。
 長期借入金の新規借入額・返済額、社債発行額・償還額、新株式発行額、配当金の支払額、自己株式の取得などを表す。
 簡単に言えば、マイナスになっていれば、借入金を返済し、プラスなら、借入金等によって資金を調達していることになる。
 自らの稼ぎを指すフリーキャッシュフローだけでは資金が不足するからこそ、借入や増資を行うはずであるから、基本的にはマイナスの方が良い。
 しかし、急成長しようとしている企業の場合はプラスになることがあるので、その使用目的である投資活動、営業活動等などの項目を見ながら総合して判断しなければならない。

ちなみに、フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計をいう。
 企業が存続していく為には投資活動は欠かせない。よって投資活動に必要な資金も稼がなくてはならない。投資活動に使っても、なお余剰金が出て、はじめて企業は儲かったことになる。この余剰金がフリーキャッシュフローだ。
 だから、フリーキャッシュフローは「真の利益」とも言える。フリーキャッシュフローを使って、株主へ利益還元を行ったり、借入金の返済をする。