コーポレートガバナンスの強化は勝つ要因



 私も、米国で上場企業の社外取締役をやった経験がある。一度取締役を引き受けたら、コーポレートガバナンスを徹底的にやらなければならなかった。そうしなければ、万が一、経営陣や他の取締役が不正をしていた場合、取締役として容赦なく株主から訴えられる。とても、緊張した期間だった。

 それを考えると、上場企業の不正が相次いだ日本でも、これから本格的なコーポレートガバナンス時代を迎えるだろう。今のままでは、株主や金融機関が黙っていない。

現実に、上場企業は、株主の強いプレッシャーから、執行役員制度を導入し、社外取締役を向かい入れなければならない状況になりつつある。

 逆に、コーポレートガバナンスが徹底していない上場企業は、どんなに業績がよくても、信用されないことから、株主や金融機関離れが始めるのは時間の問題だ。

 ベンチャー企業でも、早い段階からコーポレートガバナンスを徹底している経営者は、投資・金融関係者の評価は極めて高い。

つまり、投資・金融機関の力を借りて、本当に急成長する気があるならば、まず、コーポレートガバナンスを強化すべきだろう。これが「ベンチャー戦国時代」での、勝つ要因にもなるのだ。