ニートは成果主義社会の象徴
「フリーターやニートが増えて大変だ!」という人が多い。
ニートとは、英語でNEET(Not in Employment, Education or Training)と書き、「無業者」のことを意味する。国によって捉え方は多少違う。
例えば、英国で社会問題になり労働政策の中で用いられた「職に就いておらず、学校等の教育機関に所属せず、就労に向けた活動をしていない15~34歳の未婚の者」と定義している。
日本では、「職を持たず、学生でもなく、求職もしていない」人達を指し、2003年の統計では日本には52万人のこういったニート層がいるとの事。
フリーターや失業者とニートの相違点として、フリーターはアルバイトやパートタイマー等の雇用形態や雇用条件では不安定ながらも生計を立てている。また、一般に失業者とは職を失った者を指すが、正しくは失職後に多少就職活動をしている者を言う。
フリーターや失業者に対し、ニートは就労に向けた教育・雇用・職業訓練等のいずれにも参加せず、無職を維持もしくは堅持しており、まれに顕示している者を指すとのこと。
公式的なものではないが、ある人は、ニートを次の4タイプに分類している。
(1)(1)ヤンキー型
反社会的で享楽的。「今が楽しければいい」というタイプ
(2)(2)ひきこもり型
社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ
(3)(3)立ちすくみ型
就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ
(4)(4)つまずき型
いったんは就職したものの早々に辞め、自信を喪失したタイプ
(5)(5)開き直り型
「どうせ就職してもいいことないから、何もしない方がまだまし」という開き直りのタイプ
この分類が最適かどうかは別として、比較的上手く説明されていると思う。
さて、「ニートなんてけしからん!」と言って、かかわらないようにする人が多いようだ。だが、れっきとした時代を象徴する社会現象であり、かかわりを完全に避けられるとは思えない。
むしろ大人として、また日本人として、これからの日本を思うならば、積極的に対応を考えるべきだ。手っ取り早い現実的な考え方として、もし、あなたの息子や娘がそうなったらどうするかだ。
また、ビジネスにかかわっていれば、「団塊の世代」の大量の引退により、深刻な人手不足も起きる。
友人のソフトブレーン株式会社の宋文洲会長は、フリーターやニートは時代を反映した社会現象であり、そのものはけっして悪いことではないことを語っている。ポイントは、そうすることで、生きがいや幸せを感じるのであれば、必要な時に必要な仕事をすればいいという論理だ。
私も、人に迷惑をかけずにどうすることが一番幸せを感じ納得できるかが、大切だと思う。今まで通り、いやいやながら定職につき、働き続けることが正しいとは言いがたい。
深刻な人手不足が予想される中、場合によっては、ニートも大事な人材になり得る。用は、彼らが必要になった時に、働くことだ。
ニートは、今の若い人が自分に忠実に生きるようになったことを意味している。つまり、なんとなく働くということがなくなったということだ。
また、働かなければならなくなったら、その成果として必要なお金を得るために働く。と言う事ことは、ニートは、今の時代を象徴する成果主義者なのだ。